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2005年05月21日(土) ■ |
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『アイスクリームマン』 |
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M&O playsプロデュース『アイスクリームマン』@ザ・スズナリ
うわ〜、岩松さん、ほんっと大好き。そんで大嫌い(笑)岩松了3本連続公演の1本目、初見です。
これ迄観てきた岩松さんの芝居は登場人物が5人前後のものが多かったので、まずは20人の登場人物を把握するのに手間取りました(笑)その上岩松さんと言えば階段!部屋の向こう側!不在の人物!飲み物!とこっちが勝手に妄想を膨らませる余地がありあり。そっちのことも考えつつ観ることになる。今回の場合は佐藤さんが夢中になっているラーメン店の女の子(最後に出てくる)や、吉田が水野につっかかる時、会話に出て来る人物(名前忘れた…)のことなど。そして早苗が寝泊まりしている受付奥の部屋では何が起こっているか。過去のつぼがそこで何をしたか。
しかし意外にも、いちばん印象に残ったのは遠藤雅くん演じる君原なのでした。個人的に“傍観者”のことを考える機会が最近多かったからかも知れない。いちばん賢くいちばん卑怯者。でも、責められることは何もない。だって何もしていないんだから。この手のひとって自分が関わらないようにしつつ、皮肉めいたことを言ったりもするんだけど、それすらも飲み込んでいる。そしてそのまま出て行く。多分このひとはどこでもそうなんじゃないかな。
あと若者が多いってとこも、一途さとそれに対応しきれない捻れ=諦念が芽を出しかけてるみたいなところも感じられて、それが切なかったなあ。城内くらいになってくると、諦念率が上がってくる。誕生日のことを思い出してもらえないし。
水野とその周辺の女性たちが、すんごく岩松節なのにも関わらず、良心的な感じがしたのも年齢から来るものだろうか。無意識だから良心も何もないのかも知れないけど、そういうのって歳を経るにつれて麻痺していくものだからなあ。と言うか、良心ってのは、歳を経るごとに意識的になる。
階段や飲み物=液体に関しては、視覚的な狙いもあると思うんですが(ドリンクが飛び散ったりとか)、次回の倉持さんが演出する『センター街』ではここらへんがどう料理されるか楽しみです。『センター街』未見なんだけど、きっと階段は出てくるだろうし、水とか液体ものが出てくると思うんだよねー。ジョン・ウーのハトみたいなもんでしょうか(笑)
1992年初演。公衆電話をかけるシーンが印象に残った。携帯が普及してない頃に書かれたんだよね。でも、“自動車免許をとるための山奥の合宿所”と言う特殊な環境なだけに、「試験に集中する為、携帯の使用は禁止」ってのもアリかもなと思った。
役者陣は皆よかったなー。格好いい良々くんが観られるってのも貴重だと思います。いや、ホントに格好いいから。あと少路くんが一瞬少路くんとわからない程で、これも面白かった。
パンフを読んだら、岩松さんが「のつぼは『シブヤから遠く離れて』のナオヤの原型だと思ってる」と言っていた。そうか、そうなのかー(涙)切ないなあ。
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