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2004年09月05日(日)
NYLON 100°C 26th SESSION『男性の好きなスポーツ』

NYLON 100°C 26th SESSION『男性の好きなスポーツ』@本多劇場

ネタバレしてます。

いや〜、これはかなり踏み絵な内容ですよ。テーマはそのものズバリ、セックスです。性的嗜好から何から、どこから異常でどこ迄正常かって判断を迫られると言うか。あとエロの概念とかね。どこ迄だったらエロいか、生理的に嫌悪感を感じるか、笑える範囲か。随分思い切ったなあと言う…本多で、昼間に観るとうろたえますな。

5月に観た『山羊―シルビアってだれ?―』もそうだったけど、道徳観とかそういうのだけではくくれなかったりするもんな。性的嗜好だけでなく、なんてゆーの、法にひっかかるかどうかとか、悪意があるかないか、無意識か故意か等、そのひとが異性をどう捉えているかってのも見事に描かれてます。ケラさんの作品には、いつも諦めの中の優しさみたいなものを感じるな。仕方がないってのが底にあると言うか。あ、それって優しいとは言わないか?許容するかどうかってことか?

悪意のないダメっこちゃんを京さんと長谷川さんがかなりハマッて演じてます。京さんの方はまだ故意的かな。長谷川さんのは無意識故だよー。ダメな感じよー。でもこういう男が好きな女もいるのよー。ホント千差万別ですよ…。

生々しいシーンもかなりありますが、ロマンチカのダンスでショウアップされてる部分とうまい具合バランスがとれてる…かなー。一幕目の終わりではかなり重くなりましたが、ここはちょっと曖昧に解決されちゃったかな。都合がいい風に片付いたと言うか。あそこが「笑えるか笑えないか」の境界線になってたような。交通事故の現場を携帯で撮影してるとこね。あの幕切れは胃に来たなあ。二幕目では白痴の女の子(小沢真珠ちゃんが見事!こういう使い方したケラさんもすごい)を監禁してたパパが電車に飛び込んじゃうけど助かって「もう死ぬ気力もない」って言うとことか、浮気を隠し通す為具合が悪いと嘘をついて、病院で検査したら脳腫瘍で余命半年だったとか。切ない。

うーん、なんかこう並べると…ニッソーヒの『業音』をちょっと連想した。

ロマンチカ久々だった(Floating BARシリーズになってから行きそびれてたから…8年振りくらい!?)けど、相変わらず皆美しい!横町慶子さんて全然変わらんね…すごいわー。林さんの美術も好きー。暖色系の照明に馴染む。