I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
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2004年08月29日(日) ■ |
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『スチームボーイ』『誰も知らない』 |
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最初はこれプラス『スパイダーマン2』でハシゴの予定でしたが無理でした。雨じゃなければ何とかなったかなー。歌舞伎町からタカシマヤへの移動は同じ新宿と言えども結構大変です。以下どちらもややネタバレ気味です、ご注意を。
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『スチームボーイ』@新宿オデオン座
いや〜待った待った待ちました、大友克洋最新作!監督作としては『MEMORIES』の「大砲の街」以来?長編としては『AKIRA』以来!そうだよ『AKIRA』はまだ実家にいる頃に観たもんな…。
半分近くは破壊シーンだったかな。もーすごいわ、画が。覚悟はしていたけど。そんな気構えなんか途中からどーでもよくなりましたね、圧倒されちゃって。大友さんはホントねじとか歯車とか大好きね!壊すの大好きね!(笑)
途中から話が置いてけぼりになっていた気もするが(レイはふっきれたのか?とか)続編の構想もあるようなので、そこらへんは後々かな。画に関してはもう何も…背景と人物もしっくりきているし、全体的にペールトーンだったところも好き。公式サイトにある、色彩設計を担当した中内照美さんのインタビューも興味深い。
丁度『イギリス人の患者』(買って1年寝かしていた…)の、液体酸素を使って不発弾を凍結→処理する箇所を読んでいるところだったので、何となく、なんとなーくわかりやすいところもあった。圧縮とか蒸気機関とか、細かい仕組みは理解出来ていませんが!いやーあのテムズ川の水が一気に凍るシーンはすごかった。鳥肌たった。
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『誰も知らない』@テアトルタイムズスクエア
私事だがウチも10歳くらいからの数年間(のべ4年くらいかなー)を子供だけで暮らしていた。4つ上の姉と私。この作品に出てくる家族とはいろいろ状況は違うが、なんとなーく共感出来るところはあったりする。
違うところはと言うと、学校には行っていたこと。定期的に収入はあったこと。あらかじめ金の使い方についてレクチャーがあったこと。定期的に親が帰って来たこと。当事者は結構のんびりしている。親は帰って来ると信じて疑わない、と言うより帰って来ないと言う選択肢はない。そこ迄考えが及ばない。ウチの親も、帰って来なくなっていた可能性は皆無ではない。年長の姉はもっといろいろ考えていただろうし、大変だっただろうと思う。
で、ウチの方は、最終的に父親が部署変えして貰って、家から通勤するようになった。父親としては単に心配からの決断だろうが、これは子供としては安心したと言うより申し訳なかった。父親にはやりたい仕事があったんじゃないか。それを諦めたんじゃないか。自分たちがもっとしっかりしておけばと言う罪の意識は未だにある。うーん、しっかりしてたつもりではあったけど、そこはやはり子供ですから。
だから何故あの状態になっても、長男が母親に連絡をとることを逡巡したのかは、少し解る。
物語は結果的にサバイバルの様相を呈す。これは紙一重だ。あのまま暮らしていける可能性もなくはない。この映画に糾弾はない。教訓もない。解決もない。物語は続いている。彼等は今日もコンビニにおにぎりを貰いに行く。あの子供たちは、今もどこかにいる。誰にも知られず親を失い、自分達の力で暮らしている。
助けるとか救うとかではなく、まず、気付いてほしい。この映画を観た大人が、自分の周りにいる子供にちょっとでも目を向ければ。
意義があるとすればこういうことかな、と思った。個人的には。是枝監督の意図は別にあるかも知れないが、私はそうとった。解決を見い出さない脚本、演出。全編静かな作品だが、終盤に入る飛行機の轟音がとても効果的。長男の感情を代弁しているかのようだった。
GONTITIの音楽も、タテタカコさん(出演もしている)の挿入歌「宝石」も良かった。映像に寄り添う音楽。
プログラムも充実した内容。出演者の子供たちのプロフィールで、弟くんの好きな食べ物が「にこごり」って書いてあったのが面白かった。渋いなキミ。あれはウマいよな(笑)
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真逆の2本を観たなあ〜と思っていたら、何と共通点がありました。どちらにも寺島進さんが出演されてます。
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