I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
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2004年06月25日(金) ■ |
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『21グラム』『ウェルカム・ホーム!』 |
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唯物論者でいれば楽なのだろうか?と時々思うが、それだけのことでは済まされない、なかなか難しい。
うーん、楽とかそういうことじゃないか。死んでしまった、それだけのことだ。それ以上でも以下でもない。それは確かなことでもある。そういうことを考えた2本。
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『21グラム』@新宿ピカデリー1、2
命は誰のものなのか。自分のもの。生死も自分で選べるのがいちばんだとは思うんだけど、それはままならない。他者がいるからです。そもそも生まれてくることは自分で選べない。
何と言っても、役者陣のガチンコ勝負がすごかったです。これはも〜観られて良かった。皆すごかったけど、やっぱりベニシオさんが凄まじかったな…「神は自分を裏切った」「あの子はこっちを見ていた」のシーンは息が詰まった。ベニーが泣くの初めて観たよ…。もうここらへんはベニーがどうとかじゃなくて“ジャック”にしか見えなくなってました。
ナオミさんのラウドっぷりもすごかった。その分最後、ジャックと対面した時の、憑き物が落ちたような表情がより胸につのった。ペンさんももう生きなくていいや〜的ななげやりくんっぷりがなあ…。このふたりもナオミ・ワッツじゃなくて“クリスティーナ”、ショーン・ペンがってんじゃなくて“ポール”が。
まあ勝手なひとばっかだったけどね。ポールの奥さんにしても。でもそうするしかないのかな。
イニャリトゥ監督の得意技?とも言える時間を交差させる構成は、う〜ん、今回に関しては厳しい。何故この構成にしたんだろう。この違和感は何だろう?と思いつつ観ていたんですが、神の視点を強要されているような居心地の悪さかなあなんて思って。一歩ひいて見る、自分は何もしない、ただ見ている。そうすることによって、人間の業とか弱さを客観視しなさいよと言われてるみたいで、傲慢ささえも感じてしまったものでどうも…。役者が良かっただけに、彼らの感情の変化を順に追っていきたかったなあと言うのが本音。
セラピーとしての信仰はやはりタブーなんだろうか?宗教を否定はしないけど、矛盾点に疑問を持たないのは何故だろう?と常々思う。でもな〜、でもな〜、疑問に気付かないと言うより気付かないでいたいのかもな、当事者は。「宗教に傾倒するなら精神科にカウンセリングを受けに行った方がいい」って言うひともいるけど、心の安息を宗教に求めるひとは、宗教を通して自分をカウンセリング出来ないのかなあ。そもそもセラピーと解釈することが間違ってますかね。罰当たり。
そういう訳で、ジャックの奥さんには共感を持った。ミサにも行くしお祈りもするけど、パーティーでこっそりビール呑んだりタバコ吸ったりね。それがいたずらっこみたいで楽しそうで。行為がどうこうって意味ではなくて。
あと不思議なのは、プログラムでも指摘されていたけど、アメリカにおける宗教絡みの倫理観は日本のそれよりもとても強いと思うんだけど(中絶にも厳しい)その反面臓器移植とかには積極的なんだよね。ある意味合理主義ってことなんだろうか。
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『ウェルカム・ホーム!』@ウッディーシアター中目黒
余計な勘繰りもあっただろうし、稽古時間も短かっただろうし、舞台外でのごたごたもあったかも知れないし、と言った面も多々あったと思うが、いい舞台だった。鷺沢さん(の21グラム?)もきっとあの場所にいたんだろう。
とは言うものの、そういうところから離れて落ち着いた状態で観たいと言う思いもある。再演、難しいかも知れないが、あったらまた観に行きたいと思う。テーマが面白かっただけに尚更。
自分はこのテーマへの違和感はあまりなかった。家族の繋がり(愛するにしても憎むにしても)に拘るひとは、それだけの理由から逃れられない苦しさも勿論あるだろうから、こっちがどうこう言えるもんではないし、自分もあんまり言われたくはないからなあ。ちと縁が薄いもんでね。血の繋がりがと言うより、生活を共にするユニットと考えればちょっとは楽になるのではないだろうか。
しかしこれのプログラム見て初めて知ったが、文珠さんて実家がお寺なんですね…そう言えば結構珍しい名字・名前だもんね。「長男?跡継ぎ?知るか。ほっとけっつうの」。ははははは、ほっとくほっとく。
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■上映決まった 『コンクリート』。短期間だけど。トラブルあるかも知れないけど、やるならやるで無事終われるといいね…以前近所の映画館で、その手のトラブルで館内に消化器まいて暴れたひとがいたもんでさ。高岡くんの仕事は観たいがちょっと心配
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