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kai
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2004年02月01日(日) ■ |
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『BENT』楽日 |
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『BENT』@PARCO劇場
楽日です。またもやおぼえがき。
■ええと〜芝居的にはボロが出た部分がありました… ■気が抜けたってのとはまた違う(そういうのは第三者が指摘してもどうしようもないことなので)だろうけど、最後ってことで力が入り過ぎたか、空回りしたか ■オランダで花を2回買ったり、ローゼンが家賃未払いのことを話さなかったり(…) ■ハプニングとしては、落とした石がごろごろ転がってステージから落ちそうになったのを、マックスがダッシュでチャージしたり ■スープの具でもめたホルストが、地面にこぼれたスープを這いつくばって舐めるってパターンは初めて観た ■『戦場のピアニスト』でもこういうシーンあったなあ。エンケンさん、観たのかな。それとも偶然だろうか ■もしくは“ホルスト”そのものの行動が自然に出たか。すごいお腹を空かせているもんね… ■そういや他の収容者が、ホルストとカポがもめてる隙に、勝手に鍋からスープつまみ食いしてるパターンも初めて観た ■最後の最後迄変化し続けるってことでは、観ていて面白い舞台だったし、もっと長くやればもっともっと成長するカンパニーだったんだろうなと思わせられて、名残惜しかったな ■個人的には、スズカツさんの演出でベニサン・ピットあたりで観たいなあと思った。フリースペース使いが得意なひとだから、あの空間をすっごい緊張感溢れるものに作り上げるのではないだろうか ■それは一昨年PARCO劇場で上演した『動物園物語』の時にも感じたことで、PARCOでやるには広過ぎるかな、と思ったんだ ■あれかな、対岸の火事として観られるのはPARCO。引きずり込まれるのはベニサンとか、スズナリくらいのキャパのとこ ■これは相性みたいなもんなので、良い悪いでは言えないことだ
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千秋楽と言うこともあり、カーテンコールも盛り上がりました。4回くらいやったかな、スタオベも満開。紙吹雪とテープが天井から落ちて来て、皆笑顔。でも高岡くんはボロ泣きしてて。も、もらいなきしてしまった。エンケンさんが「あおいさーん!」と大声で客席に呼びかけて、青井さんが笑顔でステージに上がってきました。篠井さんたちに手招きされてスズカツさんも壇上に。
高岡くんはずっと泣いていて、深いお辞儀を何度もしながらステージ後ろにだんだん下がっていっちゃってて。そこに桔平さんが来て、高岡くんの手をひいて前に連れて来たりしてた。これにはぐっときたよー、ルディ、よかったな!って思っちゃった。ルディは舞台上で死んでしまって、マックスに名前も忘れられてしまうけれど、その後のマックスの心にずっと残っていたんだと思ったんだよね…ホルストだけでなく、ルディもいたから、マックスはひとを愛した、愛された記憶をとり戻すことが出来たんじゃないかとか。
そうだな、だからこそマックスには死んでほしくなかったんだ。愛された記憶が戻ったのに、そのまま死んでしまうなんてあんまりじゃないか。ええ甘いですよ、私は!高岡くんようがんばった!これからもがんばれ!いやこっちが言わなくても当然がんばってるだろうけど!技術的なことは努力すればいくらでも伸びるんだ。技術だけでは出せない一途さ、やるせなさが彼のルディにはあった。
壇上にあがったスズカツさんはまず桔平さんとガッチリ抱擁、その後メインキャストの皆と握手。高岡くんには優しく手を伸ばしていた。しかしこういう場になると控えめなひとなので、端に、後ろにって感じでどんどんハケてってた(笑)何度目かのカーテンコールで、篠井さんに肩を抱かれて退場して行った後ろ姿と、高岡くんと全く同じタイミングで(位置は離れていた)深い深いお辞儀をしていたのが印象的だった。
全てが終わったあと、ステージ裏からスタッフの歓声と拍手が聞こえてきたのにもジーンときちゃった。
多分この話には、私は折り合いが付けられないだろう。やっぱり死んでほしくないんだよ、マックスには。これからもいろんな演出、いろんなキャスト、いろんな空間で観てみたい。いつかは原作(=戯曲)のラストに納得させられることがあるだろうか。…ない気がするな。
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