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2003年01月31日(金)
じゃがたら2003“業をとれ!”

じゃがたら2003“業をとれ!”〜江戸アケミ十三回忌 天国でのゴール〜@新宿LOFT


「長いねー。長いよ。法事だもん。法事は長いよ。今度は三十三回忌だ。20年後だ。もっと死んでるぞー」。

とはこだま和文氏。10時間の法事です。アケミが死んで13年、じゃがたらのメンバーはもう3人死んでる。これからもどんどん死ぬ、それは当たり前。遅かれ早かれ。

と言う訳で、ちょっとしんみりしつつ、しかし曲が鳴れば笑顔。

じゃがたらには最後の2年しかひっかからなかった。やっとライヴに行ける機会が出来た時に、アケミが死んだ。いきなり追悼ライヴになったそれには何だか申し訳なくて行けなかった。結局アケミの声を生で聴くことは出来ずじまいだった。

会場に入ったのが20時過ぎ、向井秀徳氏+PANIC SMILE+菊地成孔氏を見逃してしまった。まさかトップバッターとは…遠藤ミチロウ氏にも間に合わず残念。そんな早くやっちゃうとは思わなんだ。じゃがたらとティポグラフィカのコアなファン・サガラさんも到着は20時半だったので「久し振りに菊地くんのオモロトークが聞けると思ってたのにー」と残念がっていた(笑)ティポグラフィカの頃から随分オモロい毒トークを飛ばしていたそうで、そこらへんの話を聞いてゲラゲラ笑う。

で、冷静に聴いていると今回のイベント、いろんなひとがじゃがたらの曲をやったけど、やっぱりオリジナルがいちばん格好いい(笑)ま、それはそうか。セッティング間にステージ前に張られた幕兼スクリーンに、かつてのライヴ映像が流されていたので、ついついずーっとそれも観ちゃってねえ、殆ど休憩もしなかったもんで体力的にはかなりヘヴィー。こ、腰が痛い。が、楽しかったな。法事が楽しいってのもなんですが。

個人的には町田康氏、JAGABATA、こだまさん、オーケンがよかった。なんだかんだ言っても追悼イベントな割に「俺が俺が」なひともおりまして、それはまーいーんだけど、上記のひとらは自分のスタイルを持ち込んでいながらじゃがたらへの敬意も感じた。

アケミが火葬されたあとの煙を見て「あっけないもんやのう」と呟いた町田氏は演奏に乗せた詩の朗読。全部新作だったのかな、町田氏の朗読は『くっすん大黒』以来だったが面白かった。青空海岸JAGABATAは、暗黒大陸じゃがたらのコピーバンド。トリビュートでもカヴァーでもない、コピーバンドってとこがミソです(笑)トモロヲの毒MCがいちばん面白かったなー。…書いたらやばいのばっかしですけども(笑)いくらか書くと「青空海岸にしたのは、暗黒大陸のままだと死んじゃうから。死んでたまるかー」「これからもっと死ぬぞー」「もういい歳だから大変なんですよ、いっぱいいっぱいで(1曲唄うと息があがってた(笑))」etc.しかしトモロヲの声だとこの毒トークも笑えるんだよね。それこそアケミが聞いてたら笑いそうな…もーこの立ち位置、好きだなー。「ばちかぶりやれー!」のヤジもニコニコと無視(笑)JAGABATA観たの2回目だけど好きだなあ、また観たい。

あ、あと何げにVJ陣に山本政志監督がまざっていてビビりました(笑)ここらへんの面子が流石じゃがたら周りですな。

こだまさんがMCで、「大きなニュース、個人的な出来事が起こると、死んだひとのことを思い出す。9.11や北朝鮮のことをアケミは知らないんだなあ」と言っていた。で、そのあとやったオーケンが、じゃがたらに影響を受けた曲として、自分のバンド・特撮の持ち曲「企画ものAVの女」(タイトルうろ憶え)ってのをやって、それは「自分の彼氏にみてほしくてAV女優になったのに、おまえはピンでは無理と言われ40人で雪山でなんかする企画ものに出演することになり、そのロケに行った雪山で遭難」するって内容で(ここらへんのストーリーテラーっぷりはオーケンの真骨頂でしたよ…頭おかしいよ…(笑))オチは「けれど彼はナウかった、彼はDVDプレイヤーしか持っていなかった」。

ゲラゲラ笑いながら、そうだ、アケミってDVD知らないよなあとぼんやり思った。

20年後の三十三回忌には行けるかな。まあその時には私も死んでるかも知れませんが。その時はあの世から観ることにしますよ。