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2002年11月23日(土) ■ |
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『↑ヤジルシ―誘われて』 |
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2002/2003シーズン『↑ヤジルシ―誘われて』@新国立劇場 小劇場
観よう観ようと思いつつ逃していた作品に、太田省吾氏の『更地』があった。沈黙劇の代表作でもあるこの作品、やはりそれなりに襟を正してみないとなあと言う構えがあってなあ。あと沈黙劇だけあったほんっとーに静かな舞台だろうから、お腹が鳴ったらどうしよう恥ずかしい!とかビビっていたと言うのもあり(笑)
今回転形劇場出身の大杉漣さんが久々に太田さんと組むと言うきっかけもあり、ようやく観ることが出来た。
意外と観易かったと言う印象。台詞も結構あったし…いや、沈黙劇のイメージが強いから、台詞も全くないと思っていたので…あ、でも吉田朝さんは身体で見せる役割で、台詞はなかったかな。仮面を外しているシーンではなかったと思う。
カット&ペーストの手法で、引用した文献を「盗用テキスト」として舞台上のモニターに提示してから、各シーンを通すと言う構成。知っているものもあれば知らないものもあり。これが時にはうまい具合に繋がり、時には意味不明にバラける。世紀末色が強いもので、これを新世紀に観られていると言う不思議な感覚もあった。
大杉さんはやっぱり格好いいな。役者としては当たり前のことかも知れないけど、自分の身体を自在にコントロール出来ている。動きだけに限らず、声量や声質の微妙な調整がさりげなく巧い。舞台の奥行きを思いきり使った装置と、もともとの劇場の音響の悪さ(ホントここは音の返りが悪い)をもうまく味方につけていた気がした。
品川徹さんら転形組の方も、初見だったが面白かった。金久美子さんは『アテルイ』以来だが、少女性のある衣装がよく似合っており、新鮮な印象だった。
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