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2002年06月29日(土) ■ |
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『青い春』 |
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『青い春』@シネマライズ2F
3週連続で初日もの。先週突然ナミさんが「映画の初日舞台挨拶ってどのくらいひと来るの?」と訊くので何かと思えば『青い春』舞台挨拶の整理券を明日から配布すると言う。松田龍平くんがいるからねえ…結構凄いんじゃないかな等と話していて「これ私も観るつもりで…いつ行こうかなと思ってて」と言ったら「じゃあ一緒に整理券とっておくよ!」うわ有難うラッキー!便乗させて頂きました。そんな訳で初日のみのモーニングショウ10:30の回。朝早いと渋谷はひとがいなくて歩きやすいねー。しかしスペイン坂にはひとだかり。もう3回目の上映分のひと迄並んでいた。
観たかった理由は、プロデューサーが宮崎大氏だと言うことと、新井浩文くんが出演していること。『GO』で「めっちゃウンコしてえ」って言ってたあのコです。印象に残って、他の作品を観たいと思っていた。『青い春』は『GO』より先に撮っていたと言う、実質デビュー作。豊田監督の過去の作品は未見。松本大洋氏の原作は読んではいた。
これはいい。朝イチで観ると一日中ひきずる。歩き方まで変わります(笑)任侠映画観たおじさん達が高倉健さん化して肩で風を切って出ていくって言う伝説が解るなと言うか。男の子はもっとその度合いが強いんじゃないかな。以下ネタバレしてます。
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塚本晋也監督作品『BULLET BALLET』での真野きりなさんを観た時に思った、「その時、その場にしか存在しないツラが撮れ」ている。この作品に出演した事を、役者は誇りに思うんじゃないかな。番を張る気もなく、屋上から全てを見おろす九條、九條から突き放され暴走する青木、甲子園出場に傾けてきた情熱をなくしヤクザの道を選ぶ木村、ウルトラ警備隊を目指すピースな雪男(このひとのツラ構えはよかったわー。無表情が長回しに耐えうる)、お調子者の大田(やっぱ裕太くんは巧い!)、使いっぱからのしあがる吉村(ホームランアイスで今後の運を掴もうとする時のモノローグが素晴らしかった)、余命いくばくもないオバケ。桜が散らない数日間のうちに、彼等は散る、散る、散る。散るのか?落ちる?飛ぶ?
登場人物のツラ構えも素晴らしいが、画ヅラ全体がとにかくいい。文字通りどんどん黒くなっていく学校(視覚的に本当に黒くなるのだ)、毛虫、チューリップ、ハイスピードの多用、ベランダゲームを実写で観られると言う緊張感。
特に終盤、青木が屋上で一晩過ごすシーンのコマ撮りの美しさは絶品。噂には聞いていたが…これは大変だったろうね新井くん。いやスタッフの皆さんも。でもこんないい画が撮れるんならそら鬼にもなるってもんでしょうって言う私も鬼か(笑)ここからラスト迄の“間”は凄かった。釘付け。翌朝登校して屋上の青木に気付く九條。走る。屋上すれすれを飛ぶ飛行機の仰瞰。青木はベランダゲームを始める。屋上へ駆け上がる途中転び叫ぶ九條。ドアを開け柵を飛び越える。間に合わない。青木は落ちる。手を13回叩く。フラッシュバックとスローモーション。私の近くの席にいた女の子は、青木が落ちるところで小さな悲鳴をあげた。
無表情な彼等は、時々情緒的な面を見せる。九條が青木を散髪するシーン、クールな雪男が泣き叫びながら警察に連行されるシーン、青木をとめようと走る九條が思い出す幼い日の思い出。この感情のほころびがあると、正直ホッとするのも事実。そこで許してくれないのがこの作品なのだが。豊田監督、怖いな。他の作品を逃していたのは失敗だった。
『御法度』は観ておらず、松田くんの事もあまり詳しくはなかった。松田優作氏は好きで、映画も結構観ている。親子だってのはなるべく考えないようにと思っていたが…に、似てる…顔もなんだけど…走る姿が!凄い似てる!時々ギョッとさせられた。佇まいが美しく、目ぢからも強力。これは使うのに難しそうだな…今回のようにハマればホームラン。
新井くんは期待通り、つーか以上。このひとの存在感も凄い。本人意識してるのかは不明だが、時々ふっと見せる寂しい表情がいい。あの後半の髪型が違和感なくなってしまう馴染みっぷりもいい。今後ますます楽しみ。それにしてもウンコに縁があるね(笑)忍成修吾くんは『リリイ・シュシュ〜』の時と真逆の立場で興味深かった。いぢられかたも共通してたりね(全裸で水の中へって言う…)。
ミッシェルガンエレファントの貢献度は大きい。予告編を観た時から「これは…」と思っていたが、ハマリ度が見事。音がもう少し大きくてもいいかも。エンドロールを観てビックリ、音楽監督がウエケンですよ!知らなかった!TMGE以外にもアナラーズの曲も使われててこれは意外な収穫でした。こんな所で遭えるとはね。好みは別れると思うが、ピンとくるひとには相当いい。しかしこの人選も宮崎プロデューサーなのだろうか。『殺し屋1』の山本精一さんにもかなり驚かされたもんなあ。こうなると気になってくるのは、宮崎氏製作の次の作品『Blue』。どうくるかな。
上映後に舞台挨拶。豊田利晃監督、松田くん、新井くん、高岡蒼佑くん、大柴裕介くんが出席。2階席最前列だったのだが、松田くんはシャイなのかうつむきっぱで顔は殆ど見えなかった。あと新井くん、デカい!高岡くんは映画と全くルックスが変わっていた。皆が口を揃えて、現場は学校に通っているみたいで楽しかったと言っていた。新井くんはホントに「うち」って言うね!「原作のことは忘れてやった」と言う監督。大当たりです。
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