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2001年12月15日(土) ■ |
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ノーラン祭&(勝手に)イチ前夜祭 |
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『メメント』@シネクイント
リピート。
時間軸に惑わされないぞ、それぞれの意見に騙されないぞ、と思っているのに気付けばあれよあれよと…あああ。でも「確か初見ではここでズレが生じたから…」と注意しながら観る事が出来たので、その分レナードへのやるせなさが〜(泣)
レナードの言葉の様に、記憶なんてものは自分が安心したい為のものにすぎないのかも知れない。でもそれにすがらなくちゃ生きていけないひとは多い。レナードの様にそれをうまく活用し、タフに生きていく事も出来るかもしれないが、そんな彼もナタリーやテディにうまく利用されている部分もある訳で。トリッキーなストーリー展開だけにとどまらない、ひとのこころの不安定さをここ迄面白く(そしてやるせなく)表現した傑作だと思う。
やっぱ面白いわ〜と乗ったエレベーターに貼ってあったポスターに釘付け。イ、イチのアートワーク展が昨日から始まってる!!!即行7階で降りる。
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『胡蝶儚譚〜映画「殺し屋1」のアートワーク展』@スクエア7
わーいわーいイチだー!とフロアに着くと、いつもは素通りのギャラリー入口が屏風ばりの自動ドアになっている。わーいわーいきっとイカガワシイものがたっくさんあるんだ!!とウキウキドキドキ。
北村道子氏による衣裳約30点、佐々木尚氏による美術プランとセット、特殊メイク模型、メイキング映像の展示。入口付近には登場人物のパネル。映画のスチールショットの下には原作のカットが。やっぱこの“ピアスのマー坊”を浅野忠信さんにキャスティングしたってのが凄いよなー。三池監督の人選だそうですがよく思いついたなあ。イチ役の大森南朋さんもかわいい〜。こんなかわいい顔して…あんな事やこんな事を…(いや役が。そして原作でしか知らないので映画では何をやらかしてるのか楽しみでもある)。イチスーツも展示してある、踵の刃がああついてるついてる。左についてたって事は大森さんも左利き?
やはり圧巻は北村さんの衣裳!実際に撮影に使われていたものだそうだ。彼女を知ったのは遅まきながら塚本晋也監督の『双生児』からなのだが、『イチ』の衣裳もいかがわしいのに美しい、でも近寄ってみると安全ピンやぬいぐるみがごちゃごちゃにちりばめられていてギョッとする。着るひとにもパワーを要求する圧倒感がある。ヤワな人物だときっと着負けしてしまう。衣裳だけでなく、マー坊は“白子”のイメージだと提案し、浅野くんを全身脱色させたのも北村さんだそうで。そういえば、宇多田ヒカルさんが「FINAL DISTANCE」で着ていた白い衣裳がアザラシみたいでかわいいわー、でも何か包帯まきまきみたいで怖いわー、面白いなあと思っていたらこれも北村さんのスタイリングだったそうだ。
オマケのポストカードセットも貰って嬉しいなー。でもこれもイチ、後ろ姿なのね…(涙)浅野くんは勿論入ってるんだけど、松尾スズキのカード迄あって大喜び、あの、欲を言えば塚本さんのも…あの…。しっかり衣裳プレゼントのアンケートも提出して出る。
いやもう否が応にも公開への期待が高まるばかり。ついにあと1週間を切ったよー、楽しみだよ!映画を観てから、また展示を観たいな。
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『フォロウィング』@シネアミューズ・イースト
クリストファー・ノーラン監督が『メメント』の前に撮りあげていた長編。
主人公は“ハメられる”人物で、観客は彼が“ハメられている”のだと気付いてからは、“どうやってハメられたのか”の確認作業をしつつ観ていく事になる。が、そのせっかくの確認作業もチャラにされてしまうかの様なドンデン返しがラストに起こり、“ハメた”人物の本来の目的を知らされる事になる。
『メメント』よりも時間軸が整理されておらず(故意にだと思う)、序盤頭がもたつく。時間軸によって登場人物たちの服装や髪型が変わっているので、顔の区別に苦労する(笑)。ようやっと確認作業のペースに慣れてきて、よしよしがんばれ!うまく空き巣をやりおおせ!となった所で、え?そうだったの!?なラスト。この主人公もかなり気の毒です。やるせなー。
やー、この手法で2本撮ったノーラン監督、脚本段階からこの順に組み立てようと思ってるんだろうか、それとも順撮りした後編集でここをここに入れて、これをこの後ろに…とか試行錯誤しながらやってるんだろうかって気になるわー。面白いなあ。しかもやるせないしね。人間って刹那的なものかもしれないね。でも悲しくはないよ。やっぱりしぶとくて楽しいものだよ。
次作予定の『インソムニア』はどんなものを作るんだろう。楽しみになってきた。
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『メメント』の前後にラフォーレミュージアムでやってた『MUSIC VIDEO DIRECTORS COLLECTION 2001』を観る(数多くて一度に観終わりませんで)。原宿―渋谷二往復。流石に疲れた。でも面白かったよー。沢山歩いた分ごはんもおいしかったです(笑)。
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