前潟都窪の日記

2005年02月05日(土) 密葬 連載の24

多市と寿子の関係その4

多市の強引なやり口にほとほと困惑した健吉は次女静子の嫁ぎ先の次男坊であるし、いざこざを起こしてもまずいとの判断が先にたった。結局寿子を説得して多市と結婚させることにした。

問題は町長の息子の方であるが、これは親の同意を得てない婚約であるから無効だということで秘密裏に折り合いをつけた。町長も田舎町のこと故身内のごたごたが噂されるようになると町政運営の上でも好ましくないと判断し、内々で収めることに異議はなかった。未だ親権が強力であったから、このような解決ができたのである。今昔の感がある。

このようにして二人は寿子の卒業を待つようにして結婚したのであるが、嫁いでみてびっくりしたのは寿子である。
多市は請け負い工事を手がける程のやり手として売り出し中であったから、家財らしいものはなにもない借家には若い職人達が寄宿して生活しており、賄いは通いの小母さんに依存していたのである。そんな生活の中へいきなり投げ込まれて、甘い新婚生活の夢はどこへやら毎日おさんどんの生活に追い回されるのであった。


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