前潟都窪の日記

2005年01月21日(金) 密葬 連載の11

今岡建設の従業員からの報告

 児島稔子は寡婦である。夫は新進気鋭の医学徒であったが、大学の医局に席を置きながら、開業した診療室での過労がたたって15年前に心筋梗塞で急死した。稔子は夫の死を契機に父今岡多市の経営する不動産管理会社の経理担当者として13年程勤務したことがある。その頃事務所の掃除にパートタイマーとして務めていたオバチャンの国塩玲子から電話が入った。

「このたびはご愁傷さまでした。密葬だったそうですね。今日会社で会長さんと社長さんからお母様の逝去のことが従業員に報告されました。聞けば告別式にも出席できなかったようなので、お話の内容をお知らせします」と切り出して以下のようなことを報告した。

1)従業員全員を集めて会長と社長から今岡寿子さんの逝去の報告があった。
2)従業員に知らせなかったのは故人の葬式は質素に密葬でとの遺言があったからである。
3)葬式は身内だけで営んだが実に心の籠もった素晴らしい葬式であった。
4)赤色の法衣を纏った最高位の法印さま他高位の僧侶が4人も導師を務めてくれた。
5)料理も最高のもので身内をもてなし、参会者は故人の遺徳を偲んだ。
6)以上のようなことであるが、写真をわざわざ見せながら如何に金をかけて葬式を営んだかということを強調していたことが印象に残った。


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