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「今頃気付いたのかよ? おまえ、鈍過ぎ」 「……なんで、あんたがここにいるのよ……」 お弁当を手に下げ立ったまま、あたしは憮然として言った。 いつものように、時間がたっぷり取れるからと、中休みにあたしはレンに自分が気付いたことを話した。 『あったり〜! 大正解♪』 ちょっとおどけて、手をパチパチ叩いてみせたレンと、あたしは今回の異変に付いて話し合った。 しかし、話をまとめるには時間が足りず、続きはお昼休みにでもしようということになったのだが…… 今日は場所を変えて外で食べることにし、れんから指定された場所に来てみれば、何故かあの野郎も一緒にいた。 慌てて駆け寄り、一体どうしたのかとレンに問う寸前に、彼は開口一発ああ言ってきたのだ。 (鈍いとはなによ! 相変わらず、口の悪いヤツ…) あたしがヤツをジッと睨んだままでいると、 「まーまー、たまにはいいじゃねーの。多い方が楽しいぜ?」 そう、取り繕うようにいい、芝生に座るように促すレンに、あたしは渋々従った。
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