表身頃のココロ
ぼちぼちと。今さらながら。

2005年03月24日(木) 「バッド・エデュケーション」

◆ バッド・エデュケーション
Bad Education
[スペイン/2004年/105分]
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、フェレ・マルティネス

アルモドバル節爆裂。
「オール・アボウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」で一気に女性映画の巨匠扱いされている姿を見るにつけ、何かおかしいなぁーと思っていたが、本来の姿に戻った感あり。

映画の冒頭、二人の男が再会した時代をキーステーションにして、過去が語られる。
その過去は、脚本を通して語られ、それぞれの記憶を通して語られ、脚本を映画化したものとして語られ、元神父の話として語られ、それらが絡み合って全体像が浮かび上がってくる。
入れ子多重使いは、凝った構成というより、いかがわしさ胡散臭さが漂う。
基本的に主要人物全て男性のホモセクシュアル話であるので、構成のいかがわしさに加え映像のいかがわしさもさすがアルモドバル、頭抜けて素敵である。
可愛いガエルちんの女装や多々あるサービスショットも楽しい。
が、白眉は元神父の姿だ。老いて老醜をさらしながらも愛を乞うことをやめられない、えげつない姿は、不快を越えてある種の感動を与えてくれる。
この映画は、なにやらアルモドバルの半自伝らしいが、ゲイの映画監督に投影した姿はもちろん、この元神父の姿も遠からざる自分の姿として自虐的に描いているのではないかとも思えてしまう。

(3/24 at 九段会館)


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るつ [MAIL]

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