◆ セルラー Cellular [アメリカ/2004年/95分] 監督:デヴィッド・R・エリス 原案:ラリー・コーエン 脚本:クリス・モーガン 出演:キム・ベイシンガー、クリス・エヴァンス、 J・ステイサム、W・H・メイシー
始まって間もなく、余計な小細工もなくその犯罪は始まり、息もつかさずぐいぐいと押しまくり、途中でベタな香り入りの笑いで和ませ、最後まで一気に見せてくれたこの映画、あぁ、楽しかった!
監督は、とにかく映画が大好きで大好きでそれのココロが伝わってくる感じがする。 自分が楽しいものを独りよがりにならず作りつつ、観客としても楽しんでいるようだ。 ずっとそのココロを持ち続ける人であってほしいー。
原案のラリー・コーエンは「フォーン・ブース」の脚本家だそうだ。 過去約40年間B級映画畑を生き抜いて来た人のようだ。 すべての生活の場で新しいアイディアを考えているのだろうか。 ここでも携帯電話における様々なバリエーションを見せてくれる。 (「フォーン・ブース」のラストのまとめが嫌い。「セルラー」の方が面白い)
震えながらも最善の道を考えようとするキム・ベイシンガーが素敵かつ大人の色気素敵。 アナログ電話のメカニズムを承知の上の行動は格好いい。 (世間の常識なのだろうか?私は全く存ぜずたまげてしまった。) また、生物教師、人体構造熟知・渾身の静脈ひと切りの巻も、おぉっと感嘆符付きでたまげてしまった。
巻き込まれの気のいいあんちゃんを演じたクリス・エヴァンスが、キュート。 きっと見てる人みなツッコミ入れつつ、応援していたのではないだろうか? その時点で映画は大成功なのだ。
久々に見たジェイソン・ステイサム、有無を言わせぬ悪役道まっしぐらで、こわ素敵。
メイシーさんのへなちょこ警官・職業人の原点に立ち返るの巻も素敵。 倒した金魚鉢の金魚を救うシーンをきちんと入れるところは、良い映画のお手本。 メイシーさんの警官役は「殺人課」以来かしらん?
ラストで、共に戦いながら、それまで声でしか知らなかった戦友との対面にもしびれる。 最初の切れの良い「ダイ・ハード」を思い起こしたりする。
(3/2 at TOHOシネマズ市川)
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