2005年02月12日(土) |
オペラ「ラ・チェネレントラ」 |
◇「ラ・チェネレントラ」全二幕 La Cenerenttola
おなじみ「シンデレラ」のイタリア読みで灰かぶりを意味するチェネレントラ。 良く知られるペローやグリムとはだいぶ違うロッシーニ版である。 ペローを元ネタとするディズニーでは、可哀想なシンデレラが魔法使いのおかげで舞踏会に出席、王子様にひと目惚れされるも12時の鐘でガラスの靴と共に去り、最後はめでたしめでたし・・・。 しかし、このロッシーニ版では、王子は単なる面食いの間抜けではないのだ。 王子は従者と衣装を交換し身分を取り替え、きちんとシンデレラの良さを知った上で恋に落ちる。 シンデレラも単に受け身で従順なだけでなく、自己主張もする。 これに継母ならぬ継父と二人の姉、従者であるニセの王子が絡み、面白可笑しく展開していく。どたばたではあるけれど、良質な笑いと音楽でココロ踊るのであった!
まず、目眩がするほどの装飾音のオンパレードに腰を抜かしそうになる。 タイトルロールのヴィヴィカ・ジュノーの正確な歌唱と音色にまた腰を抜かしそうになる。 特に二幕目は圧巻! 恐ろしく難しいのだろうと私でも思ってしまうような曲を、それと感じさせない位自然に歌い上げ、その声の音色がまた素晴らしく好みだ〜♪ 我が脳内麻薬爆裂。
王子の従者役のデ・カンディアは、コミカルな動きや間のセンスが良く、断然ファンになってしまった。装飾音には切れがなく得意ではなさそうだけど、それを補ってあまりあるものを備えている感じだ。
他の主な出演者も皆高いレベルで、独唱も重唱も聴き応えあり、幸せ。 また、スタイリッシュな演出もかなり好みだ。 とにかく、幸せ感いっぱいで帰途についたのだった。
指揮:アルベルト・ゼッダ 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 演出・舞台・衣装:ルイージ・ピッツィ アンジェリーナ(シンデレラ):ヴィヴィカ・ジュノー ドン・ラミーロ(王子) :ホアン・ホセ・ロペラ ダンディーニ (王子の従者):ロベルト・デ・カンディア ドン・マニーフィコ(シンデレラの父):ブルーノ・デ・シモーネ クロリンダ(シンデレラの義姉):高橋薫子 ティースベ(シンデレラの義姉):向野由美子
(at オーチャードホール)
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