2003年11月25日(火) |
「アリラ」 「綾戸智絵 LIVE 2003」 |
4th TOKYO FILMeX 2003 ◆「アリラ」Alila 2003 イスラエル 監督:アモス・ギタイ
テルアビブの集合住宅を舞台にした群像劇。 この集合住宅はイスラエルのメタファーであり、いわばテルアビブ版「ショート・カッツ」である、とは開映前の監督のひと言。 アモス・ギタイ作品ということで少々構えていた私に、大変分かりやすい導入の言葉を いただき、ありがたや。 この映画は40カットで出来ているという紹介もあったが、約120分で40カットは単純計算 で1カットあたり3分。 最近では決して珍しくない長廻しだけれど、面白いのは1カットがそれぞれ独立している 1つのシーンなのだ。 長廻し好きの私だけれど、長廻しは力がないと見ていられない。 しっかりとして美しい撮影に見とれる。 調べてみたら「キプールの記憶」のカメラと同じRenato Bertaという人物。 好みだと思う。
イスラエル政府がパレスティナとの往来を遮断したことにより、低賃金で働く労働者が いなくなり、現在では中東・アジア各国などから不法入国無許可労働者が押し寄せて いるらしい。 そんな現状も織り交ぜつつ、兵役拒否で脱走兵になった息子とその両親恋人の顛末・ アパートを密会の場にしたカップルの始まりと終わり・ジプシーかと思いきやばりばり の警官だった女性のお部屋建て増し計画の頓挫などなどを描く。 それにからむ他の住人達−ホロコーストの生き残りとその東洋人妻(使用人?) ・管理人らしき独身中年男など−皆チャーミング。 イスラエルという国の別の顔を見せてもらいましたぜ。
◆「綾戸智絵 LIVE 2003」厚生年金会館大ホール
少し前の話。 友人から、入手困難な綾戸智絵のチケットが手に入ったから行こうという連絡があった。 綾戸智絵が凄いという噂は聞いていたけれど、一度も聴いたことの無かった私。 即CDをレンタルして聴いた。ライブ版CDの一曲目「アメージング・グレース」。 ゴスペル魂に溢れた力強い声、達者なジャズピアノ。即「行く!」と連絡した。 しかしその後テレビに出るというので彼女出演のバラエティ番組を見てみた。 ・・・思いっきり・・思いっきり引いた。ううう。どうしよう。 大阪魂のくどいギャグセンス、そして人生話は悪いけど相田みつをを思い出してしまった・・(相田みつをがいやな私は悪人ですか?)。
さて、そして本日。一曲目、サラ・ヴォーン風のスキャット入り曲から始まる。 8人編成のバックバンドが素晴らしい!ニューヨークから連れてきたらしい。 キャノンボール・アダレイのアレンジいただき風「枯葉」。 エリントンの「スゥイングしなけりゃ意味が無い」←最高。 この2曲の演奏を聴いただけでも行った価値大ありの素晴らしさ!ぞくぞくもの。 「朝日のあたる家」や「青い影」などマイストライクゾーンの曲も多し。楽しい。 最後までゴスペル曲がなかったのが残念だけれど楽しかった。
で、トークである。彼女のトークを楽しみにしているお客さんも多かろう・・。 厚生年金会館という大きなホールの観客を乗せる話術はプロフェショナル。 やはりちとくどいが、楽しい一夜だった。
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