嗚呼!米国駐在員。
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2006年02月25日(土) ユナイテッドとは相性が悪い

先日の出張の帰りの飛行機の事。

天井に頭がつかえそうな片側2座席の小さな飛行機に乗り込み自分の座席にいくと、そこにはメキシカンの男が座っていた。

「そこは自分の席だ。あなたの座席番号は?」
と聞くと、2つ前の座席を指差し、そこに座れ、だと。

なんで俺はそんな目に合わなければならないのだ? 咄嗟の状況にうまく反応できずに突っ立っていたら、スチュワーデスが来て、「お席を替わってもらえますか?」と聞いてきた。どうやら、メキシカンの隣座席に知り合いがいたようだ。「No Problem !」とあっさり答えた自分も情けない。何が NoProblem だっていうんだ。

席の変更はよくある光景なのだが、席に着いてから妙に腹が立った。

席の変更そのものは全く構わないのだが、こちらが席に着く際に頼むのが礼儀というものだろう。いきなり座ってコーラ片手にナチョス食いながら、俺はこの席にしたからアンタはそっちに行け、というのはどんなものか。と思いながらも、メキシカンに説教する気持ちも勇気もないからどうしようもない。

その日は疲れており狭い座席で爆睡。

無事に飛行機は到着し、狭い機体から解放された。ゲートを抜けて駐車場へと向かう。立体パーキングはとてつもなく広いので、出張が続くと何回のどの位置に止めたか分からなくなってしまう。ウロウロと荷物を持って駐車場を回り自分の車を発見。これに乗り込むと、ようやく安心する。一本電話をかけようとして、ポケットを探る。



アレ、無い?



一息ついてもう一度探す。見つからない。車を降りて、本格的にスーツとコートのあらゆるポケットを探すが、やっぱり見つからない。

必至に記憶を振り返る。
座席についた時、いつものように電源をオフにしたのは覚えている。飛行機を降りてからは一直線に駐車場だから、その途中で落とすことは考えづらい。そうだ、座席に座っている時にポケットから落ちたに違いない。エンジンをかけた車を止めてトボトボと空港のチェックインカウンターに引き返す。サービスセンターに行くと、何人かの人だかり。相変わらずチンタラしたユナイテッドの対応でイライライライラ。早くしないと、先ほどの飛行機が飛んでいってしまうやろ!

ようやく自分の番が来て、機内に携帯を忘れた、と言ってチケットの半券を出した。

愛想のかけらもないオバチャンに、すがるような気持ちで訴えたのだが、オバチャンは何の反応もせずに無言で画面になにやら打ち込んで、「もう機体は出発したかも」とか言ってやる気無し。とはいえ、どこかに電話をかけてくれて用件を伝えてくれた。30秒後、「何も残ってないみたいだわ。」



お前はほんまに、し・ら・べ・た・ん・か・い・な・・!!



ぶちきれそうになったが、そこで自分は席を替わっていた事に気がついた。

「10Dから8Dに座席変更したんだった。8D付近を調べてもらえないですか?」

無言でオバサンは電話をして用件を伝えた。が、すぐに、「やっぱりないみたいだわ。アナタ、本当に座席に忘れたの? Are you sure?」 

ふざけやがって。ほんまに電話してるんかいな。

「1階の忘れ物カウンターに行って必要事項を記入しておけば?」

絶望的だ。

アメリカ生活1年目だったら、そう思うところだったが、3年近くも住むとそんな事ではくじけない。

そのセンターを出ると、迷わずに別の階にあるUnitedのサービスセンターに直行した。

そして同じ事を伝えた。座席を変更した事も忘れずに伝えた。今度のオバチャンは少し親切そうだ。さっきと同じようにどこかに電話をしてくれて、細かく説明をしてくれていた。




「よかったね。あったみたいよ。」




!!!!




やっぱり、である。

Securityパスのカードをもらって指示されたゲートに戻ると、自分の携帯はそこにあった。

それにしても本当に信用ならないサービス振りである。もっとも、そんな非難をする前に、飛行機に忘れ物するなよっていう話だけど。

いつもは忘れ物などしないのだが、出張帰りの飛行機は到着したら安堵感で気が抜けるのだろうか。不注意が原因だった無駄な1時間半であったけど、これだけで済んでよかった。


Kyosuke