嗚呼!米国駐在員。
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2006年01月20日(金) ホリエモンとか牛肉とか

こちらで普通に生活していると、普段はほとんど日本のニュースなんぞお目にかかる機会はないのだが、今週に入りライブドアショックが全国紙のみならず地元紙にまで掲載され、そして今日は日本が再び牛肉の輸入停止を決めた事がニュースで流れた。


ホリエモンとやらは名前はよく知っているが、ネットや新聞上だけでのことだ。いわゆる、動いて喋るホリエモンは未だに見たことがない。だから、世間では色々非難をされているようなのだが、自分の中では彼に対して嫌悪感はない、というより何も印象がない。どちらかといえば、そのスケールの大きな行動力をうらやましくも思っていた。30前半でプロ野球の球団オーナーになろうとしたり、政治家になろうとしたり、どんなに卑しい野心があってもなかなか出来ることではない。

今回の件でネットを見て気になったのは、ライブドアが株式分割を繰り返してきた事が問題だ、という論調が多い事だけど、それ自体は問題ではないはずだ。まあ、確かにライブドアは違反をしたのだろうけど、米国のローカルニュースにまで報道されるほどの大きな影響を日本経済に与えたというもともとの原因は、結局、日本という狭い世界でこのホリエモンとやらが調子に乗りすぎて睨まれただけのような気がするのだが。ホリエモンを知らないアメリカの人は果たして今回の件を伝える新聞記事を理解できたのだろうか。

それにしても何度関連記事を見たところで、なんでこの会社がいつのまにか8千3百億もの時価総額を持つようになったのか未だによく理解出来ない。何のため会社を急にこんなに大きくしたのかもよく分からない。
しかし、この会社の強制捜査で東証が取引停止にまで追い込まれ、ホリエモンはアメリカの新聞にまで登場するようになった。何だか実体の無いような会社が、知らない間にここまで影響力を持っていた、というのがとても不思議に感じる。

日本では何が起きていたのだろうか。

短期の売却益を狙ってライブドア株を買っていた個人投資家はお気の毒だけど、自業自得だな。


そして、今朝のラジオニュースでは、日本の米牛肉輸入前面禁止が流れた。
輸入された米国産牛肉にBSEの病原体が蓄積しやすい特定危険部位の脊柱が混入していたからだ。ニュースでは、理由も説明せずに、日本が輸入禁止した、日本は大きな市場だから大きな打撃だ、と報道していた。

これは結局、米国側のずさんな対応がそもそもの問題だったのだが、BSEも何もなく毎日牛肉バンバン食って消費される国で、日本だけの為にそれだけ細かい対応しろっていっても出来ないだろう。こうしたいい加減な対応に対して、アメリカの野郎!と日本は怒るのだろうけど、まあ現実としてアメリカなんてこんなもんだ。自分さえ牛肉食えればいい、ヨソなんて知るかって。

これでしばらくはアメリカから日本に牛肉が輸出されることもないのかもしれない。アメリカに住んでいれば牛肉は食べざるを得ないけど、おかしな病原菌が当たらぬよう祈るしかない。



Kyosuke