嗚呼!米国駐在員。
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2005年12月15日(木) アメリカへの移民は過去最多

あれよあれよと円が115円台まで下落してきた。
120円だった時、手持ちドル資金を全て円転換して小遣いを稼ごうと思ったのだけど、ぼんやりしている間にタイミングを逃してしまった。



新聞に、過去5年間のアメリカへの移民は過去最多の790万人、という記事があった。
そのうち、メキシコからの移民が最大で約285万人。こうした移民によって、この国での低賃金労働が絶え間なく供給される。

しかし、こうした移民の多さが一部のアメリカ人庶民からすれば、「世界中からアメリカに人が集まってくる」 ⇒ 「やっぱりアメリカ、最高なんだ。俺達の国が何でもかんでも世界一ってことだぜ!」という意識を少なからず産み出しているのは間違いないのではなかろうか。


取引先などでよくアメリカ人に聞かれる。

「どうだ?アメリカの生活は?好きか?満足しているか?」

「いいえ、全然好きじゃないですよ。戦争おっぱじめる国なんて最悪でしょ。」 


・・・などと言う訳もなく、「アメリカ生活、サイコーです。」などと取りあえず答える。相手は、当然だろ、という顔で満足げだ。

当たり前だ。わざわざヨソの国から来て自分の国の悪口言う奴と誰が商売やりたがる? まあ社交辞令で言うだけなのだけど、意外とそんな言葉を真に受けて、“やっぱみんながアメリカに来たいんだ、俺達やっぱ世界の中心にいるんだ!” と思い込む人が多いのだ。

あと、“アメリカのロックバンドやハリウッドスターが日本に出稼ぎに行って、日本人大騒ぎ” 的な映像がたまにテレビで流れるのだけど、そんな場面を見た単純アメリカ人は、「やっぱり俺達の国は世界中で人気があるんだ、みんな俺達を注目してるもんね。」とこれまた勘違い。


もう海外など何の興味ない、というかわざわざ行く必要ないだろ、アメリカで全て事が足りるもんね、と考える米人も多い気がする。特に中西部の保守的な人間。こんな人に異文化を理解しろと言っても無理な話か。だって、世界中の人がアメリカが大好きで集まってきていると信じきっているんだから、なんで奴らが捨てた国の文化などを理解する必要があるんだ、っていう考えも潜在的には持っているはずだ。



一方で我が日本では今後10年間で労働人口が370万人も減る。
人口増加が経済を強くしているアメリカとは好対照だ。経済も長期的に見れば弱くなっていくかもしれない。

そして、他民族国家のアメリカには、これからも移民希望者が殺到する。 そして、アメリカ人はますます俺達は世界の中心、という意識を強くする。



Kyosuke