嗚呼!米国駐在員。
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2005年12月12日(月) |
出張帰りのトラブル その3 / TUMI |
現在TUMI のビジネスバッグを買おうかどうか迷いに迷っている。
赴任前の印象だと、どうせ日本に戻ったらオフィスのある丸の内近辺ではそこら中の茶髪のリーマンが持ち歩いてるんだろうなあ、なんだかいかにもだなあ、なんて思って躊躇もするわけなのだが、なんといっても頑丈で多機能、デザインはシンプル。しかもアメリカならお手ごろ価格(日本で買うと馬鹿高い)。今使っているサムソナイトはもらい物でとっくに限界。過酷な出張に耐える丈夫なバッグが欲しいのだ。既にキャリーバッグは購入済みで、1週間程度の海外出張には本当に重宝しているので実績は申し分なし。まあこんだけ迷ったら結局は買うんだろうなあ。
そうそう。で、前回の続き。(もうええって)
ゲートを出てからは我慢に我慢を重ねていたトイレへ直行した。足が硬直していてなかなか前に進まない。ポケットの携帯を取り出して電源を入れる、と、何かが足りない、と、妙な違和感を感じてポケットを慌ててポケットに手を突っ込んだ。
パスケースがない・・。
名刺だけならまだしも、ここには大事な大事なIDも入っている。これをなくすと致命的だ。 慌てて先ほどのゲートへ引き返した。足の痛みもなんのその、周りで寝転んでいる人を縫うようにして走った走った。ゲートに着くと、とっくに乗客は機内をおりてしまった後で、ちょうど乗務員とパイロットが出てくる所に鉢合わせた。
「中に入っていいか」と聞くと、先ほどの上品なパイロットオヤジが、「えっ、また戻りたいの?よほどこの飛行機が気に入ったみたいだね。」と気の利いた切り返しをしてきたが、こちらはすっかり余裕なし。
既に清掃が始まった機内に入り、自分の座席に行く。毛布を引っ剥がすと、そこには大学の入学式に祖父からもらったDUNHILのパスケースがポロリと出てきた。あ〜よかった。
さあ帰りだ。
と思ったら、こんなときに限って車は会社に置いてあったんだった。会社に行かなきゃいけない。
極寒の外に出てタクシー乗り場に行くと、待ち人100人以上。40分ばかり凍える中を待たされた。運ちゃんの黒人に道を説明するのも面倒くさかったが、幸い英語の聞き分けのいい運ちゃんだったので助かった。会社の駐車場までタクシーに入っていってもらおうと思ったが、そこまではさすがに除雪されていない。大雪が積もっている中、「こんな所入るんでっか?大将?」とアフロな運ちゃんが頼りなさそうに言うものだから、そこで降りて雪に埋もれながら歩いていった。
自分の車の運転席に座ったとき、初めて安堵してホッとした。
明け方に家に戻ると、ちょうどガレージ前の除雪作業が進められていたところだった。しっかりしたコミュニティだ。それにしても、作業員の人もご苦労さんである。
もっと色々な事が起きたきもするけど、振り返ってみれば大事にもならず、思い出に残るような出張の帰り道でした。
Kyosuke
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