嗚呼!米国駐在員。
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2005年10月24日(月) 時差ある国とのメール交信

こうしてアメリカにいて時差のあるアジアや日本などを相手に仕事をしていると、どうしても仕事のやり取りはメール中心になる。

前日の晩に流したメールに対する返事が、翌朝出社すると届いている。うまくいけば効率的だが、なかなかそうはいかないのが現実だ。メールでやりとりをする相手の対応の仕方というのも、人によって色々であり面白い。


困るのが、ある案件に対するこちらの要望に対して、大筋に関係ない細かい質問のみをメールしてくるパターン。

質問してくるのが悪いわけではないけど、こちらからすればメールを受けた日に行う事が出来るのはそのつまらない質問に答えるだけであり、つまり丸一日無駄になる。
これは我が社の若手社員などに多い。
こちらも無駄に1日過ごさぬ為に、寝る前に一旦メールを開いて、日本時間の午前中に送信された問い合わせにはすぐに返信するようにしている。業務経験がないというのはある意味でやむを得ないが、相手が社内であろうと一歩先を見た内容の連絡をする事は大事である。

もっとも、最悪なのは返事がないこと。
送った側からすれば、メールが無事に届いているかどうかも分からないし、相手が状況を理解したのか単に放っておかれたのかどうかも分からない。例え、忙しくて何も取組みが出来なかったとしても、メールを受け取りました、と返信する事は国際間商売では最低限のマナーである。長期出張や長期休暇の際はあらかじめ関係者に連絡をしておけば、余計なストレスを相手に与えずに済む。


ある程度業務経験がある相手になると、たとえこちらの要求に対してお断りの内容でも、「No」だけで終わらせるのではなく背景説明、そして「カウンター案」や周辺情報が出てくる。もしくは、こうすればいいのでは、などと色々提案をしてくれる。こちらからすれば、例え要望に対するストレートな回答がなくても、そういった周辺情報や提案をベースに新たな可能性を探る動きを、メールを受け取ったその日に行う事が出来る。もっとも、これは時差のあるなしとは関係なく全てのメール交信に必要な事かもしれないが、海外駐在経験者、そしてインドや中国の優秀なエージェントがこういった対応をしてくれる。


こちらの立場(相手もそうだが)からすれば、メール内容に質問や疑問があっても、真夜中で熟睡しているだろう相手に電話する訳にはいかないのが本当に困る。

おそらく、時差のない国同士であれば電話1本で話が出来るから、こうしたメール上の問題は起きづらい。お互いに話をしながら疑問があったらその場で解消出来るし、情報交換もたやすい。

メールは「わざわざ」文章にしないといけないから、確かに手間がかかる。それに、文章に残るから書き手はある程度内容を考えて書かなければならない。確かに、文章は怖い。何度も何度も読み返す事が出来るがゆえに、内容がお粗末であったり不本意であれば、送信してきた相手への不信が読む度に増殖されることもある。日本国内のように、気軽に電話を一本入れてフォローとはいかない。

もちろん、こちらが相手に思うことは相手がこちらに要望している事であるから、自分も常に気をつけている事である。


Kyosuke