嗚呼!米国駐在員。
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2005年10月21日(金) ホワイトソックスが地元で人気がないワケ

ワールドシリーズに46年振りの出場を決めたホワイトソックス。
実は、地元シカゴでは誰もがホワイトソックスを応援しているわけではない。

シカゴでは、工場が建ち並ぶ南部にはソックス・ファンが多く、高所得層が住む北部にはカブス・ファンが多い。

要するに、黒人はホワイトソックスファン、白人はカブスファンという図式がはっきりしている。

ホワイトソックスのホーム、セルラースタジアムに行くと、球場周りの貧しく異様な町並みと多くの黒人に誰もが驚くことだろう。

カブスファンはホワイトソックスが嫌いだ。白人の多くは、さあ地元ホワイトソックスを応援するぞ、という気分にはあまりなっていないのが実態である。






井口人気でホワイトソックスの活躍は日本でも多少報道されたのだろうか、日本の取引先などからうちの米人スタッフに対して「ホワイトソックス、ワールドシリーズ出場。よかったですね。」というメールが届いた。

それに対して、「自分はカブスファンだから。」とわざわざ断りをいれて返信していた。相手は何の事か分からなかっただろうけど、この米人からすれば、俺は白人、ホワイトソックスなぞ応援する人間ではない、と主張していたという事である。

2003年にナショナルリーグ優勝戦でカブスがマーリンズと対戦した際は、テレビも新聞も周囲も、今回よりももっと盛り上がっていたように思える。シカゴ市民では圧倒的にカブスファンが多い。が、その時もシカゴ南部では相手のフロリダを応援していたそうだ。

ソックスはチケット売り上げの低迷にも常に悩まされている。
シーズン中、カブスのチケットは成績に関係なく売れる。平日でも成績が悪くても全試合満員御礼だが、ソックスの観客数はいつもリーグの下位を争っている。ホワイトソックスの今シーズンは最高の成績であった。しかし、そんな今年でさえチケット売り上げは230万ドル。一方のカブスは310万ドルを売り上げた。 そのためホワイトソックスはリーグ優勝を決めた翌日の17日、2006年シーズンチケットの購入者には、ワールド・シリーズの地元4試合のうち1試合のチケットを進呈すると発表した。


黒人でも白人でもない日本人の自分は、純粋に地元ホワイトソックスを応援するだけである。実にシンプルでよい。


Kyosuke