嗚呼!米国駐在員。
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2005年10月03日(月) 米系航空会社のお粗末な仕事振り

米航空会社の客室乗務員組合が、ジョディ・フォスターが主演する新作映画「FLIGHT PLAN」の内容に反発し約9万人の組合員に観賞をボイコットさせ、上映に反対する運動を起こしている。映画は、先週の全米興行収入で初登場で首位。

映画の中での客室乗務員らは、米同時多発テロ以降、強化された警備強化や治安対策には全くむとんちゃくで、「態度が悪く、不親切」に描かれているのが大きな理由。 これに対して、「描写の仕方に憤りを感じる」「客室乗務員は日々、乗客の安全に努め、命をかけて乗客防護の最前線に立っている」と怒りをぶつけている。組合広報は、この映画を見た人たちが客室乗務員に対して誤った印象を抱き、乗務員への信頼を喪失する恐れがあると指摘している。

警備強化に無頓着、というのは何とも言えないけど、「態度が悪く不親切」は見事に当たっている。そして、権利とはいえ、使命感もなくやたらとストや抗議ばかり行う米系航空会社の組合員もどうかと思うのだが、映画鑑賞ボイコットまで呼びかけるとは何を考えているのか。ここは本当にアメリカかね。


一方、 米航空最大手のアメリカン航空は、中部国際空港と米シカゴを結ぶ路線を11月から運休すると発表した。表向きの理由はジェット燃料の高騰。実際は、乗客が集まらなかったから。このセコイ航空会社は、米国内線ではヘッドホンまでが有料貸与。


中部-シカゴ直行便が出来たとき、当初はビジネスマンもこの路線就航を歓迎した。

ところが、日系航空会社の素晴らしいサービスに慣れきった目の肥えたビジネスマンたち。アメリカンのPOORなサービスに愕然とし、もう2度と乗るまい、と誓った人がほとんどだ。確かにマニュアル通りではない機転の利いたサービスをされたとき、その瞬間だけは素晴らしいと思うのだが、通常のフライトにおいてそんな機会は全くない。

何より、日米12時間のフライトは、あまりにも長い。そんな中、寝不足の不機嫌を臆せずにぶつけてくるアメリカ人おばちゃんのガサツなサービスはあまりにきつい。

こんな話を聞いた事があるのだけど、日本路線は米系航空会社のスチュワーデスにとって「おいしい」搭乗だとか。
乗客の大半である日本人は、大人しく座っているだけでわがままも文句も言わない。その上に長距離だから搭乗手当てもガッポリ。よって、航空会社の中でも発言力のある「大御所(お局とも言う)」スチュワーデスが優先的にこの路線を選ぶらしい。自然と、日本線は年寄りの我がままスチュワーデスの格好の拠り所となっている。

一旦は直行便を試したビジネスマンの多くは、名古屋から成田に飛んでからJALで米国へ、という王道路線に戻っていってしまった。時間と手間はかかるけども、日系と米系ではそれを補ってあまりあるサービスの違いがある。もちろん、JALの方が料金が高いのだけど、そんなものは会社の経費だから関係ない。

結局、航空会社に取って大事なビジネス層、リピーターがつかなかったという訳だ。

そして、この路線でアメリカンを使う客は少しでも運賃を安く上げたい観光客しかいなくなっていった訳だが、如何せん米国中西部に行く観光客の数などはたかがしれているし、そのほとんどは1回切りの搭乗だ。


アメリカに来る日本人。
航空会社で米系を使う人というのは、マイレージを集めているだとか、価格の魅力、もしくは乗り継ぎの問題や時間的な都合だとかでやむを得ず使用しているのであって、決してサービスに満足しているから、という日本人はいないに違いない。



もっとも、米国滞在経験のある日本人が久しぶりにアメリカに来て国内線に乗ると、

「いや〜、このサービスぶり。本当に懐かしいよなあ。アメリカって感じだよなあ。」

と懐かしがるお人も意外と多いのだが。


Kyosuke