嗚呼!米国駐在員。
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2005年09月30日(金) |
Michelle Wieに群がる企業 |
出張者のアテンドで今週は珍しく会食の連続。 気がつけば、日本ではタイガースが優勝していたようだ。そして楽天の田尾監督も解任だとか。ネットのニュースでは田尾同情論、三木谷オーナー批判論が強かったけど、あれだけ負けて来年も、なんていうのは甘い話だ。客だってこのままでは来年は見に行かないでしょ。プロは強くないと面白いわけがない。
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今季米女子ゴルフで3回も2位に入っているハワイの天才Michelle Wie(15才)が、「総額1000万ドル(約11億円)の契約でプロ転向をする可能性がある」と報じられている。
中学生にして183cm、300ヤード級のドライバー。そしていい意味でのふてぶてしさ。
Wieの誕生日は10月11日。この日にプロ転向の発表があると言われており、2日後のサムスン世界選手権がデビュー戦と言われている。いったいどうなるのだろうか。
既に水面下ではメーカーが争奪戦を繰り広げており、NIKEが一歩リードしているようだ。確かに、最近はクラブもウェアもNikeを使用している。
気の早い報道では、Nikeとの契約料だけで約$9Mil (約10億円)と言われており、もちろん女子としては史上最高額。女王アニカが年間総額$5.4Mil.の収入だから、Wieは賞金を稼ぐ前に女子トッププレーヤーの年間収入を上回ることになる。また、それ以外にもアパレル契約やCMなどでの収入が加算されれば、年間$30-40Mil.にも到達すると言われている。
何故、各社はこんなに争奪戦を繰り広げるのか。
まず考えられるのは、1)実力がずば抜けている、そして2)女性であること。
実力は当然なのだが、既にWieは男子トーナメントに出場して活躍している。男と対等の強い女、というのは、女性から見れば憧れるはずであり、女性からの注目も浴びるはず。女性初のマスターズ出場が出来るのは間違いなくWieだろう。タイガーが若者のゴルフ人口を増やしたように、Wieは女性のゴルフ人口を増やすはずである。
そして、それよりも強く考えられるのは、Wieは「アジア系(韓国系)」だからでないかと思っている。
両親は韓国人だし、Wie自身も韓国語はもちろん、日本語や中国語も多少会話出来るらしい。
彼女のような「アジア系アメリカ人」というのは、世界へのアピールとしては最適なのではないだろうか。
考えてみれば、タイガーが何故あそこまで世界的人気があるのか。圧倒的実力を別にして考えれば、彼の遺伝 - オヤジは黒人、母親はタイ人 - も影響していると思う。彼はアメリカ人なのだが、我々アジア人から見てもどことなく馴染みやすい顔や雰囲気をもっている。 一方、いくらコテコテなアメリカ人のフィル・ミケルソンが頑張ったって、アメリカ以外での人気はそれほどではない。アジアから見れば、やっぱりミケルソンは正統派白人であるし、どことなく民族的親近感が沸かない。女子だって実力的にはポーラ・クリーマーの方が上手だと思うけど、これまた正統派ブロンド白人であり、アジアへのPRとなれば別の話だ。
そういう意味では、話題のMichelle Wie(韓国名: 魏ソンミ)がアジア系である事によって、ブランドの世界戦略を図るメーカーとしては一層欲しい広告塔になっているはずだ、と思うのだがどうだろうか。
Kyosuke
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