嗚呼!米国駐在員。
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2005年07月25日(月) |
中国人との正しい宴席 |
先週に中国に出張した際、訪問先中国企業が宴席の場を設けてくれた。
基本的に中国人は飲み食いの場が大好きなので、声をかけられたらほぼ全員が喜んで円卓を囲んでとてもにぎやかだ。
日本と同じでまずは乾杯をする。 中国ではさんざん酒を飲まされる、乾杯、乾杯の嵐だ、という話で有名だが、意外なことにつぶされるまで飲まされることはほとんどない。習慣として、目があったら乾杯、話が合えば乾杯、というようなものはあるのだけど、意味もなく乾杯乾杯は、なくなってきたのではないかと感じる。もちろん、日本人男子として、売られた乾杯は全てたつ。
田舎の企業、古い人たちは確かに自分らも飲んで人にもやたらと飲ませたがる傾向があるけど、上海や北京など都市部の企業は40歳前後が企業の幹部となっており、自虐的に飲んだり飲まされたりというのはなくなってきたようだ。日本の体育会の飲み、もしくは日本企業の新入社員歓迎会の方がよっぽどえげつない。もちろん、中国でも仲のよい同士はこの限りではない。
次から次へとターンテーブルに乗せられてやってくる料理なのだが、中国人は遠慮なく突っついて食べまくる。骨も食べかけもそのあたりに撒き散らして、最初は、なんて汚い食べ方だ、と驚くのだけど、これが中国流。最初の数皿くらいはお偉いに先に取らせるとして、その後は縁量なく目の前の料理に手をつけても構わない。
そして、料理が残っているから、といって無理に全部たいらげようとしてはいけない。中国では「食べられないほど料理をだした」という事が、正式な客のおもてなしであるから、皿の料理をたいらげると次から次へと新しい料理が注文されることになる。遠慮せずに料理は残すことが鉄則。全く失礼ではない。
話題は、政治を避けて芸能ネタ。 山口百恵とかは未だに人気のある日本人。アメリカに住んでいるというと、中国人の英雄、ヒューストンロケッツのヤオミンの話題はほぼ100%飛び出すので、如何に彼が素晴らしいプレーヤーでアメリカでも有名かを語ってあげる。
ひととおり料理が一服すると、食事をしましょう、と言われる。 えっ、もう腹いっぱい食べたで、と思うところだけど、ここでチャーハンなどの飯か麺類を軽く食すのが一般的。通常は最後の締めは小椀なので、そんなに大量の食事をするわけではない。適当に麺類でお付き合いする。
最後に、杯に残った酒を乾杯して終了。 そんなに飲まされる訳ではないけど、中国酒(白酒)は強烈なので、小さな杯の積み重ねとはいえ宴席も終わる頃にはそこそこ酔っ払う。酔っ払い同士で、時には盛り上がるのだけど、「酒の席だから」という言い訳は中国では一切通用しないので、下手に仕事のことをべらべら喋らないほうがいい。どんなに酔っても中国人の面子の高さは変わらないので、やはり無礼講はいけない。
食事は中国人にとって大事なコミュニケーション。 日本人同士で日本語で日本食、というのが出張者にとって気楽なのだろうけど、できるだけ宴席の場に積極的に参加しましょう。
Kyosuke
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