嗚呼!米国駐在員。
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2005年07月06日(水) 日本語を話すガイジン

わが社の海外現地法人にも、わずか数人であるが日本語を話すガイジンというのがいる。

アジアなら大して珍しくもないが、ヨーロッパやアメリカの事務所のローカルスタッフだから少し違和感がある。ケント・ギルバード(古い!)のようだ。学生時代に日本に留学していたというパターンが多い。


ある案件で、他の支店にいるそんな現地スタッフに電話しなければならなかった。

頼まれていた事がうまくフォローできずに、要はその事情説明。悪く言えば、言い訳というか謝りの電話だった。


この現地スタッフと話をするのは初めてだ。話では日本語が話せると聞いていたけど、実際はどうだろうか。

「Hello, もしもし ?」

あいまいな出だしで様子を伺った。


「あ、もしもし、こちらマイクと申します。」

ややたどたどしいが丁寧な日本語が返ってきてほっとした。


自己紹介をして、簡単に仕事の状況を説明する。
内容としてはこちらのが圧倒的に不利なのだけど、語学で優位にたっているというのはそれだけでこうした自分のおかれた立場を誤解させる気がする。


なにやってんだ、と怒鳴られるような内容のことを話しても、「ええ、ええ、そうですか、分かります」と、相手からは片言のやさしい答えが戻ってくる。

何か質問をすれば、一生懸命日本語で回答してくれるのだが、質問している内容の回答がうまく返ってこずに会話がかみ合わない。


相手は同じ社内であるのでこちらからは出来るだけ丁寧に接したのだけど、これがセールスしてきた取引相手だったらどうだろうか。
クソ忙しい時にこんなヤツは相手にしてられん、と思うのではないか。


こちらが謝る内容の電話だったのに、最後は「どうも有難うございました」と言われてしまった。



まるで自分を見ているかのようで複雑な気持ちになった。

相手の話が意味不明の時でも、やたらと Yes, Yes, と繰り返す。
英語で文句を言おうにも日本流で相手に気をつかっているうちに何も言えなくなるパターン。そして意味もなく最後に「Thank You」。


海外で苦労している、頑張っているんだ、と思っているのは自分だけで、ビジネスの世界にそんな事情が入り込む余地はない。

そんな事情が考慮されたときは、そのときが認められた時なのだろう。



Kyosuke