嗚呼!米国駐在員。
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2005年07月05日(火) 駐在員を背後から狙い撃ちする本社

海外駐在員となると、本社のお偉いと話す機会が増える。そして、その際の違和感を誰もが感じると思う。


違和感というのは年齢とか考え方ではなく、温度差のことだ。


駐在員は、現地で生活してその第一線の現場でさまざまな経験をするのだが、本社というのはそんな現場からほど遠い日本にあり、特に役員なんてのはその中で大きな椅子にどっかりと腰を下ろして、遠く離れた異国の地での仕事を意のままにコントロールしようとする。

季節のいい時期に少しだけ出張に来て、ゴルフと観光の合間に現地視察。それで何でも分かったような気になってしまうお偉い方。

現場での意向を無視して立てられる日本流の事業計画を押し付け、現場から決定権をなくして、あくまでも日本主導でコントロールしようとする。

海外の第一線に立つ現場の判断で、これ以上進めるとヤバイですよ、と警告しても、一旦本社で立てられた計画を変更させるのはほぼ不可能。何とか目立ちたいお偉いがうんうん唸って考えた計画であるから、変更させるのはほぼ絶望的。

日本の本社で腰をおろしているような役員にとって、海外の案件なんて想定外のことは起こるに決まっている。ここは外国、相手は日本人ではない。こんな当たり前な事が分からない。そして、それを進言出来ない周りのオヤジ。

そうこうしているうちに、時間ばかりかかってしまい、何も対応出来なくなって金の垂れ流し。

しまいには、当然のように失敗する事業計画。そしてその責任は現地に丸投げ。何でもっと早く報告しなかったんだ、全然知らなかったぞ、なんて言いながら。


自分の会社がそんな会社でないことを祈りたい。



Kyosuke