嗚呼!米国駐在員。
<目次>戻る進む


2005年03月19日(土) お前の自信はどこから来る

社内のアメリカ人スタッフのうちの1人に、際立って自信家の男がいる。
まさに言葉だけで、全く根拠がない。

お前これやってくれ、と言うと、「任せとけ」と必ず言ってくれる頼もしい奴だけど、ほとんどがそのままで何もせずに終わってしまう。なまけている訳ではなく、単に不可能な事を安請け合いしているだけだ。

先日は、ゴルフなどもほとんどやった事がないのに、俺はうまい、なんて調子のいい事ばかり言うものだから、大事な客先から今度やろう、なんて誘われて大慌て。その後、すぐに年上奥さんに電話して、「どうしよう・・?」だって。

そうそう、この男は取引先から電話で厳しい事を言われると、電話を切った後にすぐに奥さんの携帯に電話をして泣き言を言う。勘弁してくれよ。

最初は、あまりにも責任感のない自信(本人は大マジメだが)の連発に、嫌な奴だな、なんて思っていたのだが、最近は逆に面白くなってきてよく先輩とからかう。

奴はこれまで北米から出た事もないのに、「俺は日本だって中国だって1人でどこへでも行って交渉してやる。」なんてぬかすものだから、「じゃあ1人で中国行ってもらうからな。」と(もちろん冗談だが)伝えると、案の定「任せておけ。」と強気だ。

「じゃあチケット取るから、そうそう、お前ビザって知ってるか?知らない? え、それでよく中国行くなんて言えるな。」

「え、ビザって何?俺、アメリカ人だから、そんなの要らないんじゃないかな・・?」

少したって、こっそりと旅行会社に「ビザって何だ?俺も必要か?」と問い合わせしていたのを聞いてしまった。
この男、いい奴だよなあ。

ちなみに、日本人は中国に行く際に短期滞在ではビザは不要だけど、アメリカ人は必要だ。しかもビザ取得に、会社の身分照会、中国からのInvitaion letterまで必要で、予想以上に手続きがやっかいだ。

それにしても、アメリカ人は自分達は世界中どこへでもいつでも気軽に踏み込めると考えているようだが、これは奴らの大きな勘違いである。


Kyosuke