嗚呼!米国駐在員。
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2005年02月09日(水) アメリカ人だって誉められたい

先日、アメリカ人の女性スタッフと取引先訪問をした。

生き返りの3時間あまりのドライブは、彼らの不満などを聞く絶好の機会である。普段、同じ事務所内で働いているのだが、現地スタッフとゆっくりと話す機会があるようでない。うちの支店は、何故か昼飯は日本人で固まって食うという悪しき悪しき習慣があるので、彼らとゆっくり出来る機会というのは本当に少ないのだ。まあこちらもいつも昼飯がハンバーガーやピザというのも嫌だというのもあるのだが。

幸い、自分は支店内の日本人駐在員の中で下っ端であるので、彼らも安心して不満をぶつけてくる。

彼女の不満は、日本人ボスについてであった。
「あの人、絶対に人を誉めたり感謝したりということをしない。許せないわ。契約を取ったとき、給料のチェックを渡すとき、Thank you! ってちょっとでも言ってくれればいいのに。要は気持ちの問題よ。」

この女性、既に勤続25年のベテランである。
その間、日本人のボスは6人も7人も代わってきたのだが、全く従業員に対して感謝の言葉も何もないのは今の支店長だけだという。

「そういや、俺も言われたことないよなあ。ちょっといってくれりゃ、やる気も出るのになあ。」というと、「えっ、日本人にも言わないの。アメリカ人スタッフだけに厳しいかと思った。」と驚いた。

今の上司の、そういう所は自分も嫌いなのだけど、別に相手が日本人でもアメリカ人でも区別はしていないだけまだマシなのだろうか。

それよりも、おばちゃんが「誉めてくれない、感謝してくれない」という不満を持っていてそれを口にするというのは少し驚いた。一見、9時5時ピタリで仕事は仕事、と完全に割り切っているように見えるアメリカ人も、やっぱり人間であって仕事で上司に評価されたいんだ。当たり前といえば当たり前なんだけど、妙にほっとするような話だった。

それにしても、我がボスの石頭のおっさんも、黙っていないでちょっとくらい誉めりゃいいのに。何を気取っているんだか。それで部下がやる気になって業績あがりゃ、安いもんだろが、と思う。

今度、「少しは部下を誉めたらどうですか」なんて言ってみるかな。まあ、それで簡単に態度を改めるようなオッサンならば、部下は苦労しないか。


Kyosuke