嗚呼!米国駐在員。
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2005年01月12日(水) 日本人からのE-MAILはややこしい

今日は華氏60F(約16℃)まで気温が上昇した。これが明日にはマイナスの世界へ逆戻りだから、やっぱりどこか世界的に天候異常が出てきているのかもしれないな。


仕事上のE-MAILなのだが、色々と複雑な問題が出ることがある。
時差のある米国内、アメリカ人との交信はE-MAILの方が誤解も少なくはるかに便利なのだが、逆に日本の本社との交信の方が問題が多いと感じる事が増えてきた。

今日もいくつか、日本の本社の管理職から私宛のメールが飛び込んできた。
内容からすれば、先方がこちらに御願いをするべき趣旨のものだ。
ところが年下に作った文章というのが見え見えで、回りくどい言い方ながらもまず言葉使いがぶしつけだ。そして内容も高圧的、威圧的だ。こちらも日本人だから、あまり気分は良くない。そして、E-MAILの場合はプリントアウトして何度も読み返すから、そのたびにこちらの不満というのも知らず知らず膨れ上がる。日本の朝に合わせて、つまりこちらの午後6時に相手への返事を考えるのだが、その頃には相手への不満が憎悪に近いもの(こりゃおおげさか。)まで成長してしまい、そんな気持ちのままでこちらもメールをするものだから、相手に与える印象も悪く自然とギクシャクしたやり取りになってしまう場合がある。

相手をよく知っていればいいのだが、同じ社内でも知らぬ人も多い。会って話すとみんな良い人なのだけど、E-MAILだけのやり取り、そして文章に残ってしまうということは、実に怖いものである。日本語の恐ろしさという事でもあるかもしれない。その点、英語は敬語も何もないし、要求だけがコンパクトにメールされてくるので実に都合がいい。


そして、アメリカに来て感じることは、日本人ってこんなに完璧主義だったんだ、ということ。何か新しいことを始める前に、懸念点や不安な点は100%駆逐しようとする。その為に、物事を進めていくスピードが遅いし、細かい議論を延々と繰り返すはめになる。

これがアメリカ人とは違う。
アメリカでは、少々懸念点があってもそれを受け入れながら対応していこうとする。そして、自分達の仕事も変えていこうとする。責任者がGOサインを出したら、それが全てである。

そんな環境の違いを日本人に説明するのも一苦労だ。
「トップがやるって決断したんだから」 こんな説明は火に油を注いでしまう。

「何だその説明は? あの点は解消したのか、この点はどうするんだ? 客が良くても俺は納得いかない。ちゃんと仕事しろよ。」

もちろん懸念事項は契約書で縛っておくのだけど、それでも完ぺき主義の人は細部にこだわった議論をしたがる。突き詰めれば単に組織人として不安なだけなんだろうけど。こうした日本人の性質というのは、確かに自分もそうだったし、ある分野ではそれが評価を受けている事も否定できない。ただ、こうして世界のいろいろな人と仕事をしながら客観的に見た場合、それが果たして良い結果ばかりかというとそうでもない。

要はどうでもいいウザイ質問が多くて時間ばかり費やすのだ。

なんだか日本人の批判ばかりだけどそんなつもりではない。
まあ、自分も異国の地で仕事して、それがこうして自分の頭で色々考えるきっかけになっている事は、有難い事ではあるのだけど。


Kyosuke