嗚呼!米国駐在員。
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2004年12月24日(金) アメリカ女性の買い物の仕方

クリスマス前日、イブっていうのか。身体が動かずに午前10時半まで睡眠。
外は見事な快晴なれど、気温華氏5F(摂氏−15℃)。ビールを買いに行くためにスーパーで入った冷蔵室の方がずっと暖かかった。いつでも外は透き通った、パリッとした冷たさ。ここまで来ると、気持ちよささえ感じるな。

クリスマス後の大バーゲンで何を買うか物色するために、プレゼントの買い物でごった返す近所のモールへ。

Yシャツ売り場での一こま。
40代くらいのアメリカ人夫婦。買い物ではよくあるパターンで、御婦人が旦那さんの為に手際よくシャツをいくつか取り出してきて、人の迷惑顧みずズラリと並べた。
旦那は明らかに嫁の選んだ少し派手目の色が気にいっていない。それをやんわりと言うのだが、嫁も全く譲らない。

「私、この色、だ〜い好き! 絶対にあなたにも似合うって。」

でも旦那は踏ん切りがつかない。せっかく愛する女房が選んでくれたシャツを、嫌だ、とは言えない様子が明らかだ。

展開が面白くなってきたので、近くでシャツを物色するフリをしながら事の成り行きを見守った。付き合い初めのカップルならまだしも、結婚して何年もたっているような夫婦で、こんな関係というのも実に辛そうなものだな、何て勝手に思ったりしながら。かくいう自分も、昔のことだが、付き合い始めた好きだった女の子がすすめてくれた服は全く自分の好みでなくてもホイホイ買っていた記憶がある。嫌だ、なんて言えなくて。

旦那は腕組みをしたまま、嫁の選んだシャツ5枚ほどと自分の選んだシャツ3枚くらいをずらりと睨んだまま動かなくなってしまった。
それを横で見ていた奥さん、たまらず旦那に言う。

「全部買っちゃいなよ。家でゆっくり見て、気に入らなければ後で返しちゃえばいいんだから。これっていい手でしょ。女の買い物っていうのは、そうやってするのよ。」

旦那は言われるままシャツを全部抱えてレジへと向かって行った・・。


アメリカでの大々的なクリスマスセールと買い物客を見ていつも思う。アメリカ人、特に女性の買い物ぶりってすごいなって。
なんというか、まるで何かに乗り遅れまいとするように、そして何かと競っているかのように、どんどん商品をカートに放り込んでいく。迷ったら考えない、迷ったらとりあえず買う。

そして、クリスマス後、特設の返品コーナーに、これまた山ほど商品を持ってくる。アメリカの返品風景は以前ココにも書いた通り。

消費大国アメリカ。クリスマスプレゼントに使う平均金額は1人あたり700ドルと新聞に書いてあった。こんな消費ぶりは、実はとても自分の性格にもあっていて、大好きなのである。こんな光景を見ながら、今日は下見のつもりだったのに、結局シャツ2枚とセーターをお買い上げしてしまった。
 
日本も庶民がためらわずに、欲しいものにじゃんじゃんカネ使うようにすれば、世間にカネが巡ってもっと景気がよくなると思うんだけど。結局のところ、日本が数字ほど景気回復を感じられないのは、こんな国民性の違いなのかもしれない。


Kyosuke