嗚呼!米国駐在員。
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2004年10月31日(日) |
ベテラン選手のプライド |
日本でも有名なメジャーリーガー、シカゴカブスの星であるサミー・ソーサ。このソーサの去就を巡って地元紙が盛り上がっている。シーズンオフに地元ドミニカに戻ったソーサは、今年6番に打順を落とした監督ベーカーの起用法に不満をぶちまけた。
「俺は6番バッターじゃない。クリーンナップのバッターだ。これまで600本近くホームランを打ってきたのだから。」
こうした起用法の不満からか、優勝が完全になくなった今季最終戦、スタメンを外れたソーサは試合開始早々球場を出て行ってしまった。球団は、罰金として1日分の給料である$87,500(900万円!)言い渡した。ソーサは球場を後にした理由を「poorly treated(ひどい扱いを受けたから)」と言っている。
ソーサは今期そんなに活躍していなかったのだろうか。 成績を見れば、背筋痛で欠場してわずか126試合出場。打率は.253にとどまり、本塁打はかろうじて10年連続30本をクリアーしたが、35本。9年連続で100を越えた打点は80であった。成績は悪くはないけど平凡。年俸20億円もらっていてはたたかれてもしょうがないかもしれない。
今年は1ヶ月怪我で戦列を離れたのが影響し、戻ってきてからもいつもの勝負強さがすっかり影を潜めていた。ワイルドカード争いをしていたカブスの勝利だけを考えれば、打順を下げたベーカーの決断もうなずける内容だったと思う。
しかし、カブスの顔として長年活躍してきたソーサは、顔がつぶされたと不満をぶちまけている。 確かにソーサは華がある。オーラがある。やっぱり人気がダントツで、顔で客が呼べる数少ないカブスの選手だ。既に2006年にカブスとはUS$18miで契約はしているのだが、こうした動きを見てスター選手の欲しいメッツが早速手を上げてきている。
ソーサは35歳。日本で言えばちょうど巨人の清原が同じような境遇になっているのだろうか。 実績を残してきたプロの選手だから、プライドはそれなりのものがあって当然だ。個人的に思うのは、こうした客を呼べる選手というのは大好きである。たとえ打てなくても、活躍しなくても、その雰囲気というものが感じられるだけで、カネを払う価値はあると思う。
ただ、勝つことだけを考えなければならない監督は、別の考えをもって当然だろう。 試合で活躍してれば何の問題もないのだけど、そうでないと戦力として問題になるばかりか、チーム内の士気も下がる。ソーサが出るために出場機会の減る若手の不満も増える。監督にとってこうした選手の扱いというのは、頭を痛めることなのだろう。
いずれにしても話合いをしなければ、お互いに誤解をしたまま話がおかしくなっていく可能性が強い。ベーカーは、ソーサはスタイルを変えない、と不満を漏らしているという。この2人、どうみてもしっかりと話し合いがされたとは感じられない。
その点、中日の落合なんかとてもうまくやりそうである。自らが大記録を作ってきた選手であり、かつ何球団も渡り歩いてきた。そんな自分をいろんなタイプの監督がどう扱ってきたかの経験は、立浪や山本などのベテラン選手の扱いにうまく活かしているに違いない。それでいて、若手を抜擢してうまく使うのだから、やっぱり優勝するチームである。
来年のカブス。 「ソーサの処遇」を考えずには語れない。
Kyosuke
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