嗚呼!米国駐在員。
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2004年10月22日(金) 中国駐在員のアテンド地獄

アジアの駐在員からの元気なメールや電話がくると、正直言ってうらやましく思う。
仕事でいえば、日本は中国を初めとしたアジアブーム。誰もアメリカなんて見向きやしていない気がする。商社の駐在員は、来客のアテンド数がその支店の好調ぶりというか繁栄ぶりを表すというが、こんなアメリカ北西部にはるばる来るような人は本当に少ない。これから、厳しい冬に向かうから、その数はますます減ってくる。すっかりそういう生活に慣れると、今度はたまにくる来客が邪魔になってしまうんだよなあ。いかんいかん。

逆に飛ぶ鳥を落とす勢いの中国駐在員のアテンド数はすごい。
1日に何組も日本のオヤジ軍団がきて、空港ピックアップからホテルへの送迎、夕食の接待からキレイどころがいる2次会まで、毎日フル回転。さながら旅行業者のようである。 アメリカから何度か中国出張した際に、現法にも寄ったのだけど、ほとんどの人がアテンドで出払っており、いつも事務所はがらんとしている。

そうそう、アメリカからのお土産のチョコレートを駐在員に渡すと、「ありがとさん」と言いながら、山積みになった箱の上にポンと乗せた。 毎日のように来客があって、そのたびにお土産がいくつももらえるので、もう店が開けるほどにお菓子の箱がたまっていたのだ。どれも、成田空港で買ったようなものばかり。推定1箱1000円。最初は現地採用の女の子が喜んで食べたり持って帰っていたのだが、すっかりそれも飽きてしまったようだ。

もう毎日がアテンドと飲み会の連続で午前様なので、中国の駐在員はくたびれきっている。
肝臓手当てが欲しい、と組合で訴えていたけども、まさにそんな状況。
それでも気が抜けないのが彼らのつらいところ。

これが、商売もあってそこそこの取引先ならばいいのだけど、悲しいかな、中国視察っていう名の観光旅行をしてくる出張オヤジ軍団が、かなり多いようだ。商売どころか、もう2度と会うかどうかも分からないのに、飯も食わせて下手すりゃ観光まで世話しなきゃならないから大変だ。

オヤジ軍団は、そんな駐在員の事情などお構いなしにはりきって出張してくる。仕事はそこそこで、うまい中華食って、マッサージ行って、姉ちゃんいるところで一杯やるのが本当の楽しみ。会社の金でそんな役得を得られるポジションだから、困ったことに、これまたそこそこのお偉いが多いんだなあ。 だからこそ、どこかで抜かりがあると大変である。

「おたくの駐在員さん、ちょっと対応が悪かったよ。」 つまりは、食事だけ仕事が終わってそのままホテルに送られた、って事。
東京本社で働いていたとき、こんな苦情(?)をよく言われた。 

「オッサン、中国と商売もないのに、飯食って2次会して送迎までしろって!?中国の駐在員だってボランティアじゃないんだから、無茶いうんじゃないよ。」 なんて言えるわけないから、こちらも適当に謝るんだけど。

もちろん、大事なお客さんはそれなりに丁重に御案内するのだけど、商売もないのに体のいい理由をつけてたかるオヤジは多い。

たいして関係がない相手でも、食事の後、「どうされます?お疲れでなければもう一軒どうですか?」なんていう誘い水を駐在員は礼儀としてかけるのだけど、「そうですね。行きましょうか。」何てバカ正直に言われた瞬間、駐在員はガックリである。 よっぽどいろんな話がそれまでに盛り上がったなら別であるが。

どうしても2次会が行きたいなら、自分のカネで遊びましょう。


Kyosuke