嗚呼!米国駐在員。
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2004年10月20日(水) よく盗難される自動車は?

昨日のUSA TODAYに、盗難の発生率が高い自動車についての特集記事があった。

盗難が一番高かったのは、キャデラックの「エスカレード EXT」。2002年から販売されている「エスカレードEXT」は、映画「マトリックス」にも使われた高級車。プロスポーツ選手やハリウッドスターにも人気がある。標準小売価格は5万3665ドル(約590万円)で、1000台当たりの被害は20.2台と最高だった。 これは、かなりの確立ではないだろうか。

続いたのは、日産のセダン「マキシマ」。同車は、02年から高性能ヘッドライトを標準装備したため、被害率が高くなった。HID(High Intensity Discharge)と呼ばれるこのヘッドライトが、とにかく人気が高いようだ。旧モデルにも装着可能で、ランプは他社にも使える。あまりにも被害が多発しているので、日産は所有者に対し、ヘッドライト盗難防止の修理を無償で申し出たようだ。

この問題は、ニュージャージー州が、日産が注意喚起を怠ったためとして、米国日産を提訴する事態まで発展した。「マキシマのライトがこれだけ泥棒に人気があるなら買わなかった」という被害者まででてくる始末。

被害の特に多いニューヨークで、盗難現場を押さえるために日産はダミーの車をNY警察に提供したという記事も出ていた。

ヘッドライトだけ取っていく泥棒が多いというのも、なんだかピンと来ない話だけど、車ごと盗んでライトだけ取って後は放置するといった例も多いというから、手っ取り早く金になるんだろう。車体を売るわけではないから足もつかないだろうし。財布を盗んでカネだけ抜き取って、財布は捨てるという話はよく聞くのだが、自動車盗んでライトだけ取るというのも、ご苦労なこった。

我が愛車のESCALADE SUVは、見事3位にランクイン。もっとも、99年モデルなので、見向きもされないかもしれないが。

一方、最も低かったのは、ビュイックの「ルセーバー」と「パークアベニュー」、フォードの「トーラス ステーションワゴン」で、0.5%だった。

もっとも、保険が掛けられた車全体の盗難の比率は1980年の約15%から03年には2.5%に低下したから、治安としてはよくなってきているといえようか。しかし、盗難1件当たりの保険金額は上昇しており、平均5928ドル(約65万円)という。なんと、「エスカレードEXT」の場合は1万4939ドル(約164万円)に達している。

年間1600万台の新車が売れる巨大マーケット、アメリカ。
その割には日本ほどアフターマーケット市場(オートバックスとかイエローハットとか)が充実していないのだけど、一般消費者に魅力あるパーツというのは、泥棒にとっても格好の狙いどころのようだ。


Kyosuke