嗚呼!米国駐在員。
<目次>戻る進む


2004年10月11日(月) 平和な週末 / 食は文化なり

この週末3連休は、久しぶりにたいした予定もなく、リラックスできた。

日曜は友人夫妻とゴルフの後で焼肉の黄金コース。

コロンバスデーで休日の今日は、朝から久しぶりのジム。この数週間のばたばたで身体が全くなまっており、筋肉がおそろしいほど落ちてしまった。軽い筋トレがつらい。

その後は愛車のオイル交換へ。終わった頃を見計らって車を取りに行くと、店員から「タイヤに釘がささっているから、処置しておこうか」と言われる。念のために見に行くと、左前のタイヤに大きな釘がささっている。パンクしてからでは遅いので、修理を頼んだ。その間、その近くのアウトレットで時間つぶしをしていたら、冬物半額セールをやっていた。去年のモデルの売れ残りか?でも売れ残りにしてはモノがいいから、何らかの事情で去年は安売りできなかったものかもしれない。日本でも人気のある THE NORTH FACEのゴツいそれでいて軽い上着が売っていたので思わず購入。150ドルなり。こうして厳冬対策を着々とはじめざるを得ない季節になってきた。

昼から近所のゴルフ場に向かってハーフのみプレー。平日オフシーズン料金でたったの10ドル。こういう、コンペでもなんでもない時に限ってスコアはいいものだ。バックティーから打ってハーフ42。今年は暖かいから来週くらいまでプレーできるかなあ。

日本でためていたJALのマイレージのうちの3万マイルが今年一杯で消滅する。
何か使わなきゃ損だから、12月にハワイにでも旅行しようかと計画。問い合わせすると、あいにくビジネスシートは既に満席で予約できずなのでとりあえずエコノミーを押える。赴任してから初めての本格的なバケーションか。たまには1週間くらい休んでもバチはあたらんでしょう。

-----------------------------------------------

JALファミリークラブの会報に、発酵学の専門家である小泉武夫氏のインタビューがのっていた。
氏は、食べ物を民族固有の食文化としてとらえている。聞けば当たり前とも思うのだけど、実に興味深い内容であった。

日本の食というのは、1960年頃からどんどんアメリカナイズされて高たんぱく、高脂肪、高カロリーになった。1960年と2000年を比べると、肉の消費量は約12倍、油は13倍に増加しているという。地球上には大変な数の民族がいるけど、これほど短期間に自分達の食を変えてしまった民族は他にはいないとの事だ。

人間の遺伝子には、長い時間をかけて毛検してきた様々な民族の生活文化が組み込まれているから、それぞれの民族の食は本来は保守的なもの。日本人が肉を食べるようになって、まだ40年そこそこだから、日本人は肉に対応する遺伝子をまだ持っていない。だから、日本人が肉を食べ過ぎると、尿酸値、中性脂肪、コレステロールが高くなるし、疲れやすい身体になるという。

また、食は身体だけではなく、心のあり方も変えていく。
かつての日本人は、穏やかで繊細で情緒的な民族だったのが、最近は荒くなってきている。食生活の影響は否定できない、と。

なるほど、である。
アメリカ人が毎日肉を大量に食うのを目の当たりにして不思議でしょうがなかったが、彼らとしては遺伝子に組み込まれているから何も無理していない。
また、生まれも育ちもアメリカという日系人が、日本食を食べるのも不思議だったのだけど、日本人としての遺伝子がそうさせているのだ。小さい時からアメリカ人と一緒に生活していたって、あんなに肉ばかり食べられるという訳にはいかないのだ。

アメリカに駐在して、何となく日本食は負けだ、というような気がして、機会があれば無理に努めてアメリカ人と同じ飯を食おうとしていたけど、もうやめた。
やっぱり日本人は、魚とご飯と納豆と味噌汁。これでいいんだ。

問題は、こんなシンプルな昼飯を食べさせてくれる所が無いことか。



Kyosuke