嗚呼!米国駐在員。
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2004年09月15日(水) |
タバコが生み出す職場の「不公平」 |
帰り際の米人スタッフMに手招きされた。
「なあ、どう思う。あいつら。タバコの休憩が多すぎると思わないか。特にEはひどいぜ。」
米人スタッフの中で唯一タバコを吸わないMが、もう我慢出来ないといった表情でささやいた。Eとはオフィスマネジャー、60歳の女性のことである。
「俺な、今日Eがどれだけタバコ休憩取るか時間はかってたんだ。何と1回に30分だぜ。これを毎日午前に2回、午後に2回やるから何と1日2時間だ。つまり、1週間で考えると、月曜から木曜まで出勤して金曜はまるまる休みと一緒の事になるんだぜ。」
他のスタッフがタバコを吸いに外に出ている間、Mはオフィスに残ってデスクで仕事をしている訳で、あまりにも不公平だという訴えである。 自分もタバコは吸わないのだが、Mのような考えを持った事は一度もない。MもMで他人のタバコ休憩の時間をはかるとはヒマな奴だな、と思ってしまった。
でもこの話を聞いたとき、アメリカ人、というかうちの会社のスタッフの仕事に対する考え方を垣間見た気がした。 つまり彼にとっての仕事とは、9時から5時まで会社で過ごす事、であって、何かを成し遂げる、とか、何かを生み出す、自己実現、といった概念は全く無いのである。入社して15年近くもたつのに、意識は時間給のアルバイトと一緒ということか。俺はあいつらより事務所で座る時間が長いのは不公平だ、ってなもんだろう。
とはいっても、Mからすれば深刻な問題のようであり、こんな事がきっかけで職場の雰囲気が悪くなっても嫌なので、とりあえず明日にでも上司には報告しようと思う。
ちなみに名指しされたEはEで、明らかに確信犯でサボっている。これは断言できる。彼女は勤続30年近く。もうお局も生き字引も越えて完全に開き直っているから、確かに問題といえばこちらも問題なのは事実である。
みんないい人なんだけどな。
Kyosuke
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