嗚呼!米国駐在員。
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2004年07月20日(火) 「ワイルドスワン」

昨日スピード違反で捕まった話を、会社の米人にしていたら、
「それって、やっぱりCOURT(法廷、裁判所)に行かなくちゃならないと思う。それから、罰金だけじゃなくて、違反の点数も取られるし、来年の保険料もアップするはずだ。」と言う。
こちとら訳が分からないので、とりあえず、反則キップの控えを明日持参してみてもらう事にした。罰金だけで済むとは甘い考えだった。憂鬱だな。



ユン・チアンの「ワイルドスワン」上巻を読了。
確か最初に発行されて話題になった当時、大学時代に読んだ記憶があるけども、10年ぶりに読むと内容はさっぱり忘れていた。

三代にわたる中国女性の人生とその激動の時代を描いた自伝的ノンフィクション。
多くの人が苦しんだ中国の革命。「大地の子」でも感じたのだが、とにかくそのやり方が陰湿極まりない。徹底的な権力闘争のいきつく先は、人間の精神を破壊するしかないということだろうか。

それにしても毛沢東、ってのも、中国では英雄視されていると思っていたが、実際はとんでもない奴であった事がよくわかる。人間のやる事じゃないな。まさに自分の権力を守る為にはやりたい放題。今度中国に行った時に、毛沢東についてどう思うか聞いてみようと思う。

この本の筆者であるユンチアンは間違いなく上流階級。おじいちゃんは医者だし、共産党員の高級幹部の娘。この時代にしてはかなり恵まれた環境だと感じる。そもそも、この時代に中国全体で起こっていた事を把握していたのは、ほんの限られた人数しかなかったはずである。その意味では「大地の子」よりも少し安心して読めるかもしれない。悲壮感の度合いが違うから。

それにしても、自分がこの時代の中国にいたとしたら、どのように生きたんだろうか。
残念ながら、ある程度は周りにも流されてしまい、とても自分に正直に生きる事は出来なかったのかもしれない。今だってそんな生き方が出来ているか怪しいもんだから。


Kyosuke