嗚呼!米国駐在員。
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2004年04月14日(水) |
人質事件の影響か / イラク戦争激化 / ライス氏公聴会 |
今週は上司が出張でいないので、実に気楽である。 支社長になればなったでしかるべき義務と責任が生じるから、それはそれで大変だろう。サラリーマンで一番お気楽と感じる時は、上司のいない時の部下かもしれないな。
昼休みにぼんやりとネットを見ると、13日の東京株式市場は日経平均株価が続伸し、1万2127円82銭で取引を終え、8日以来3営業日ぶりに年初来高値を更新したようだ。拘束された3人のためだけに、日本という国そのものが動揺しない事が、市場で評価された結果だと思う。 テロにからんだ事件があった時には、市場で不自然かつ大規模な空売りがあるといわれる。それが先週末の事だったと思うのだが、経済に大打撃を与えた上にテロ組織に資金をくれてやった、今回の1件の影響ははかり知れない。
また地元紙の新聞報道によれば、4月に入ってからイラクで死亡した米兵は12日現在で73人に上り、1カ月の死者数としてはイラク戦争始まって以来最悪となったようだ。反米抵抗勢力との衝突が激化しているため、4月末までにはさらに数字が悪化する恐れもある。 米軍によると、昨年3月のイラク戦争開始以来、イラクにおける米軍死者数は計674人に上った。このうち、敵の攻撃による死亡は479人という。 イラク戦争そのものの意味を語ると終わりがないのでここでは触れないが、こんな報道を聞くと何ともやりきれない。それと同時に、日本では3人が誘拐だの何だので茶番を繰り返している間に、世界はもっと大変なことになっていることを実感する。それにしても3人は、何だってこんな危険な地域にのこのこ出かけたのか、理解の範疇を超えている。
アメリカでは、当然なのだがテロとイラク戦争のニュースばかりである。
先日、ブッシュ政権の今後に大きく影響する公聴会が行われたのだが、簡単に振り返ってみる。
2001年の同時テロ事件の検証を行う委員会で 初めて証言を行ったライス大統領補佐官は、テロを防ぐのは不可能だったと 政府の対応を擁護した。 「テロリスト側は戦争状態だったが、我々はまだだった」(ライス補佐官) ライス補佐官は政府の態勢の不備は認めたものの、9・11以前の政府の認識は甘かったと告発したクラーク元補佐官の主張に反論し、ブッシュ大統領はテロの脅威を認識して準備を進めていたと 擁護した。 「ブッシュ大統領はテロの脅威や重要性をわかっていた」(ライス補佐官) これに対し民主党の委員からは、テロの1ヶ月前の機密文書の中で、FBI=連邦捜査局がハイジャックに注意するよう警告していたと暴露したが、ライス氏は具体性が乏しかったと自己弁護し、ブッシュ大統領がテロ直後、イラクの仕業と疑ったことも驚くべきことではないと開き直っている。「イラクとの敵対関係を考えれば、疑っても不思議じゃない」(ライス補佐官) テキサス州の牧場でこのテレビ中継を見たブッシュ大統領は、「Great Job!! (ようやった!)」 と絶賛したそうで、大統領が再選した場合、ライス補佐官は国防長官などの閣僚に大抜擢されるとの評判も高まっている。 「白い巨塔」は、どの世界でも避けられないのが現実か。 しかし、犠牲者の家族の中からは、謝罪の言葉が一切無かったことに「政府は誰も責任を認めない」と怒りの声も上がっている。
このライス補佐官、見ての通り草々たる経歴。聡明かつ怖そうな顔。公聴会での発言はすごい迫力だったようだ。 自分の発言中にさえぎられると,「私はここに質問に答えるために来たのですから、答えさせてもらう」と、言いたいことはぴっしりと最後まで言った。
ブッシュの側近中の側近なのだが、年内でホワイトハウスを離れてしまうという。次は、日本の外務大臣として活躍してくれないものか、と本気で思うのだが。
Kyosuke
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