嗚呼!米国駐在員。
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2004年03月22日(月) ガソリン価格上昇とハイブリッド車

去年アメリカで一番売れた車はトヨタの「カムリ」。年間40万台以上が売れる。
トヨタは2006年にも、このカムリに対してガソリン・電気モーター併用のハイブリッド車を導入する方針を固めたという。
現行のハイブリッド車「プリウス」は価格も高く、アメリカではあまり売れていないようだが、2年連続でベストセラーカーに選ばれたカムリのハイブリッド化は、量産効果で価格も抑えられ、米ビッグスリーも対応を迫られるのは必死と言われている。

それにしても、どこまでトヨタは強いのか。
これで間違いなく、環境対策車を巡る競争には圧倒的にリードしているといえるだろう。米国ビッグスリーもその将来性は認識しながらも技術が伴わなかった。既にトヨタがハイブリッド技術に特許の網を張り巡らしており、フォードや日産のように、ライセンス料を払って技術契約を結ぶほかはない。
まさに一人勝ち、うーん、実にうらやましい。

一方、最近アメリカでは、ガソリン価格も過去最高値($1.737/ガロン)付近まで上昇してきている。平均でレギュラー$1.723(1ガロン=約3.9リッター)だという。それでも1リットル当たり約50円。日本と比べれば、それでもまだ半額程度なのだが、国土も比べ物にならないので、意外とガソリン代は馬鹿にならない。
こんな傾向が低燃費のエコ車販売に影響すると思いきや、新聞によれば、逆に燃費のよくないSUVやワゴン車の売れ行きが好調という。この2ヶ月の販売傾向は、SUVが昨年に比べ18%の売り上げ増、一方で自動車全体で見れば4%の落ち込みである。
記事によれば、消費者のほとんどは、ガソリン代が3ドルを超えてもエコ車は買いたくない、と考えているという。 家族みんな揃って車に乗り込み、ボートやトレーラーを引っ張り休日を楽しむ、こんな風景が当たり前のアメリカでは、確かにエコ車への乗り換えという意味ではそれほどではないのかもしれない。

しかし、1人1台は当たり前のアメリカ社会。
通勤風景でかなりよく目にするカムリの燃費が著しく向上するならば、それにとびつく顧客が多い事は間違いないだろう。

自分の場合は、せっかくアメリカに来て日本車は乗るつもりはないので、こちらのスタッフなんかに首をひねられながらも、迷わずアメ車に乗っている。それなりの迫力とパワー、個性的なデザインは、日本車では味わえないものであり、とても満足している。 それにしても、あまりの燃費の悪さ(ガソリンスタンドでの驚くべき支出)を考えると、もうちょっと何とかならんのかいな、とついついぼやいてしまうのだが。


Kyosuke