嗚呼!米国駐在員。
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今週は月から木曜日まで、辞令で日本に帰国することになった後輩の仕事引継ぎ出張。 朝4時50分に彼を乗せたタクシーで自宅まで迎えに来てもらい、8時40分着の便で空路デトロイトへ。デトロイトは3週連続の訪問、しかしながら荒れたビルの風景にいつもどんよりとした空。暗い街でなんとかくいつも気分が重いんだなあ。 空港でロスからの駐在員とも合流して、客先へ。 購買マネジャーと顔合わせ。 広い個室を与えられた、てきぱきとした女性マネジャーで、例のごとく机の周りは家族の写真がべったり。 それにしても、自分の担当先は女性が本当に多いな。まあだからなんだと言われても、特に不都合なし。みなさん実にプロ意識がしっかりしているので、どちらかというととてもやりやすく助かっている。
その後は陸路でそのままカナダに入る。カナダは初めてだ。 車に乗ったままの簡単な入国審査の後に、いよいよカナダへ。アメリカと川ひとつ隔てているだけなので、そんなに違いはないと思っていたのだが、車の速度制限もマイルではなくおなじみのキロ表示。ガソリンスタンドもガロン単位ではなくリッター単位での価格表示であり、日本人にはなじみやすい。ハイウェイもデトロイトのぼこぼこ道路とは打って変わって、非常にきれいに整備されている。まわりの住宅もどことなく欧風調だな。また、レストラン、銀行で対応してくれた人間が非常に愛想いい、といっても普通なんだけども、アメリカに比べれば格段にいい。こんな点も気に入ってしまった。
今週は、社内の人間、しかも年下と一緒なので、スケジュールは厳しいが気分的に楽だな。 運転も全部任せっぱなしだし。 車の中でもついつい先輩風を吹かしっぱなしだったかな。 彼はすっかりアメリカの生活に慣れきっており、6年ぶりに帰る日本での仕事に不安を感じているようで、さんざんびびらせておいた。 「代金回収の手形、小切手の知識は新入社員でも知ってて当たり前、手形事故を起こさないように、アメリカ帰りのくせに何もわかっとらん、と言われないようにしっかり勉強しておけや」と警告を与え、「日本はうるさい上司が何人も同じ部屋で気をつかうことばかりでたまらない。アメリカと違って適度に社内の付き合いも必要だから、たまには上司のお供で居酒屋へ」「客の接待も2次会3次会は当たり前、行きたくもないスナックでは歌いたくもない歌を歌わされ、帰りはタクシーをてきぱきと手配する。土日のゴルフは送り迎えから。こちらは下手すぎず、上手すぎず。」などなど。まあ、大げさな話ではなく、実際にこんな所で間違ってはいないと思う。アメリカにいると、これらは一切気にしないでいいから、一度こちらに慣れてしまうとやっぱり日本社会も大変だ。 もっとも、この後輩もすっかりアメリカナイズ、客との会食は基本的にランチのみ、ディナーがあっても夜9時には終了するものと思っているし、仕事はボイスメールとEメールで済ませるものと思っている。数年前にはやった、「明日があるさ」という歌も聴いたこともないと言っており、左車線の運転も未経験。 日本に戻っても適応するのに時間がかかるだろうな。
Kyosuke
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