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2005年03月17日(木)  あの日の海 (2)
久しぶりに、3人でのドライブ。

昔はよくこうやっていろんなところに出かけたっけ。
わたしはいつもの3割り増しくらいで心からの笑顔を作りながら
もう10年ほど前になってしまった学生時代に思いを馳せた。

「アサミは今どうしてるの?」
あー、アサミね。年上の彼と同棲中。
そろそろ入籍するらしいよー。

意外だった。一番奥手だったアサミが同棲?
「じゃあ、ヤスは?」
いい父親やってるよ。この間出産祝い持って家まで行ってきたんだ。
アイツがあんなに親バカになるなんてな。

親バカ...ヤスが?
結婚したのは知ってたけど、子供?
遊びまくってたアイツが...ねぇ。

そうそう、カヨとマサノリ、結婚したじゃん?
今、カヨ、おめでたで。
マサノリ大喜びでさー、ヤツも親バカになるよ。きっと。


年に1度の年賀状のやり取りだけになってしまった仲間たち。
やっぱり確実に時間は流れているみたいだ。
こうやって少しずつ知らないことが増えていく。
ユウコは?ダンナと仲良くやってるの?
不意に自分の近況を聞かれる。
「うん、まぁね。
仕事が忙しくてちょいすれ違ってるけど。
...なんかこう言うと芸能人みたいだね。
『すれ違い』だって」
そう言って笑ってみる。

実際、お互い仕事に忙しく、二人揃って夕食をとったことが
ここ最近はなかったような気がする。
普通なら、休みが取れたら溝を埋めようとするのかもしれない。
でも、夫は快く送り出してくれた。
どうして?
不安が胸に押し寄せてくる。
けれど、あの人の休みは今は日曜日だけのはずだし、

...ユウコ?どしたん?
「なんでもない。
ところで、どこに連れて行ってくれるの?」

とりあえず、大学の方、行ってみようと思ってるんだけど。
「今日はいつ頃まで大丈夫なの?」
うーん。夜そんなに遅くならないなら大丈夫。
「タクミは?」
俺も大丈夫。わかってるくせに。
「そうだね。」



そう、わかっているけど、ふたりの近況はまだ聞けないでいた。
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