+++ Rip Stick +++

2001年10月13日(土) 回想日記「夢見る少女」


そうして何となくまた二人で会う様になった。

会わなかった間に、二人とも良い方向に変わっていた。


それでも、彼と一緒に居る時間は、全てが作り物の様に思えた。
実際彼には同棲してるオンナが居たし、
愛の言葉なんて囁くタイプでもなかったから。
あたしの彼への信頼感は、その時まだゼロだった。





暫くして、めまぐるしく状況が変わった。

あたしも就職し、彼もマネージメントに多忙になり
最初は週に一度は逢ったり電話したりしてたのも
殆ど逢わなくなって、電話も月に2〜3本なんてしょっちゅうだった。

変わった筈のあたしの中に、また昔と同じ不安が渦巻き始めた。





彼にあたしは必要では無い。





もしかしたら、あたしで無くても良いのかも知れない。
あたしの事なんか忘れてるのかも知れない。
彼はきっと近い将来あたしを嫌いになる。


あたしの中の冷静なあたしがいつも囁いていた。

「そんな別れることばかり考えてるなら別れてしまえ。遅かれ早かれ結果は同じだ」



何度か心の中では別れる決心をした。

安心出来る相手が良いなら、四六時中あたしを愛してくれてる人が良いなら
そう云う人を探せば良い。そう思って。



結局、臆病なあたしは何一つ変わってなかった。
愛される事ばかりを求めて、見返りばかりを夢見る少女だった。





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