そんなある日、彼のバンドのメンバーから電話が来た。
「近くに来てるから、暇だったらどう?」
こんな田舎まで何の用事だ。と思ったけれど 彼に一番近い人だったから、迷い無くOKした。
その人から、酷い事を聞かされた。 彼と彼女の事も沢山。
今となっては半分は嘘だったと判明したのだけれど その時のあたしは、涙も出ない位ショックを受けた。
それですっきりする筈だった。 それでも頭の悪いあたしは、彼から離れられなかった。 どんなカタチでも、彼の傍に居たかった。
二十歳になった時に、どうしても、とお願いして逢って貰った。
彼はとても冷たかった。 もうダメかもしれないと心の奥で思った。
もう頑張れない。と。
働きもせずにふらふらしてたそんなあたしに ふいに彼から電話が来た。
それが発端だった。
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