2007年11月04日(日) |
東海大会準決勝 常葉橘・庄司散る |
★秋季東海大会準決勝 in草薙球場 常葉菊川 0113230|10 常葉橘高 2100000| 3
常葉橘高のエース庄司。橘中時代、愛媛で行われた全中で144キロを出した逸材である。「スピードが出やすい」と言われている坊ちゃんスタジアムで記録した数字のために、信憑性は微妙なところだが、144キロの次に139キロを記録。さらに、斜め横に曲がり落ちるスライダーのキレも抜群で、これまで見た中学生ピッチャーの中ではトップレベルともいえる衝撃を与えてくれた。
これだけの活躍をすれば、いくつもの高校から当然のように誘いがくる。県外の甲子園常連校から声がかかった。しかし、庄司が選んだ先は常葉橘高校。「選ぶ」というより…、常葉橘中・高は中高一貫校のため、基本的に外の高校には行けない。全中に出場したチームメイト6人とともに、高校の野球部へ入学した。 1年春から公式戦デビューをかざり、春の東海大会にも出場。硬球に握り替えても、141キロをマークしたという。ボールの違いはあまり関係がなかったようだ。
この秋からはエースで3番の重責を担い、来春のセンバツ出場を懸けた戦いを始めた。県大会は3位で、東海大会出場。初戦で日生第二、準々決勝で中京を、それぞれ1失点完投勝利で下し、今日の準決勝に進出。相手は今春センバツの覇者、常葉菊川だった。
結果は18安打、10失点の惨敗。 ストレートは確かに速い。スライダーもよく曲がる。1年生の秋の段階としては、やはり持っているものはいい。しかし、細かいコントロールと緩急、投球術を欠き、強力打線の餌食となった。
試合後の庄司は、取材陣の質問にうまく答えられないほど泣いていた。その中で、搾り出した言葉は、自分を責めるものばかりだった。 「自分が情けない」 「いまのまま甲子園に行っても通用しない。いまのままなら、行かないほうがいいと思います」 「初戦で負けてもここで負けても一緒。自分の右腕で負けたことに変わりはない」 誰もが出たいセンバツ。庄司だって、出たいに決まっている。でも、「いまのままなら、行かないほうがいい」。こんな言葉を残す高校生と初めて会った。それほど、自分のピッチングがふがいなく、情けなかったのだろう。
今後に向けては、「本当に自信のついたストレートを投げれるように頑張りたい」と、涙声で語っていた。
この負けからどう這い上がっていくか。これからの庄司に注目したい。
|