2007年09月22日(土) |
川崎北、横浜創学館破り、ベスト4進出 |
★秋季神奈川県大会 準々決勝 川崎北 402421014|18 創学館 100151000|8
22安打18得点の猛攻で、秋季大会では創部初となるベスト4入りを決めた。 まんべんなく打ち込んだ打線、美技を連発したショート松下和矢の活躍はもちろん大きかったが、個人的なMVPは6回裏の途中から登板した、背番号15の三輪顕哉。
5回表まで12対2のコールドペースも、その裏に先発田中良季、二番手の白井綾が打ち込まれ、5失点。6回裏には、田中が2アウトからソロホームランを浴び、13対8。勝ってはいるが、一気に差を縮められ、イヤな空気が流れていた。 その空気を断ち切ったのが、右アンダースロー(ややサイド気味のアンダー)の三輪だった。6回途中から打者13人をわずか2安打ピッチ。最高のリリーフを見せ、勝利を引き寄せた。
三輪にとって、公式戦登板は2度目。県大会の登板はこの試合が初めてだった。 新チーム当初、佐相眞澄先生から「面白いアンダースローがいるよ」と聞いてはいたが、田中や目黒雄斗が好調で出番なし。ブロック大会の初戦に登板して以来、チャンスに恵まれていなかった。 2回戦の戸塚戦で、初めてブルペンで投げている姿を見た。その変則フォームにびっくり。「ウォーミングアップでもしているの?」というぐらい、軽い投げ方でマジメに投げていた。そして、ストレートを投げてもボールが揺れる。 創学館戦。田中も白井も打たれ、残された持ち駒はエース番号を着けた目黒と三輪。変則アンダースローの三輪に勝負をかけた。 いかにも奇襲のように思うが、佐相先生は試合前、三輪に「三番手で行くかもしれないからな」と告げていたという。田中、白井がある程度打たれることは覚悟していたのか…。三輪を投入する展開となった。
三輪は「これだけ投げられて楽しかった」と試合後はほっとした様子。三輪の出身は横浜市の中川中学校。中学時代はエースも、最後の夏は地区大会の初戦で負け。長い夏休みを過ごした。川崎北を選んだのは「佐相先生に教わりたかったから」という。 レギュラーを務める、織田慎太郎(相模原市立上溝中)も松下(相模原市立東林中)も高橋義人(川崎市立生田中)も塩田貴大(川崎市立南生田中)も田中(川崎市立稲田中)も、川崎北を選んだ理由はみんな同じだ。そのほかにも佐相先生を慕って、入部してきた選手が多数いる。 東林中時代の佐相先生の実績を知る選手もいれば、中学時代の顧問の先生から「佐相先生はこういう先生でね…」と教えてもらうケースもあるようだ。志望動機の中には、「顧問の先生から勧めてもらって」という声もあった。
就任3年目で県ベスト4。関東大会出場まであと1勝に迫った。 就任1年目、2年目は夏の県大会で初戦敗退。「高校で勝つのはそんなに甘くないよ」と言ってきた私学の監督もいたそうだ。
次なる相手は慶応義塾。 東林中時代の教え子が慶応に進んだこともあり、上田誠監督とは非常に仲がいい。お互いに尊敬しあっている仲だ。今日の第一試合開始前には、二人で30分近く話し込んでいた。練習試合ではこれまでに確か二度対戦。今春は川崎北が勝利している。新チームになってからは、次が初対決だ。
慶応は「川崎北と桐蔭学園の勝者が上がってくる」と読み、序盤戦から偵察隊をつけていた。佐相先生の怖さ、すごさを十分分かっている上田監督だけに、しっかりとした準備をしてくるだろう。 さて、29日、どんな戦いになるか。
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