2007年04月14日(土) |
川崎北、桐蔭学園を破りベスト16進出 |
■春季神奈川大会3回戦 in桐蔭学園グラウンド
川崎北高 000110000|2 桐蔭学園 001000000|1
試合終了の瞬間、優勝したかのような喜びを見せた川崎北の選手たち。これ以上ない、快勝だった。この勝利で神奈川ベスト16入り。夏の第三シード以上を確定させた。
先発のマウンドに送ったのは背番号11の田中。県大会の組み合わせが決まってから、「桐蔭まで隠しておく」と、一度も投げさせなかったサイドスローだ。 私立を抑えるには、サイドの技巧派が効果的。その狙いが見事に当たった。3回裏に外野手のミスから1点を失うも、なおも1アウト三塁のピンチでは4番石井を内角で詰まらせ、ショートゴロ。後続も断ち最少失点に切り抜けた。
田中は川崎市立稲田中の出身。3年夏にはエースとして川崎市で優勝し、県大会出場を果たしている。「佐相先生に教わりたい」と川崎北進学を決めた選手だ。
打線は桐蔭学園の中畑に食らいついた。序盤3回まで毎回ランナーを出すと、失点した直後の4回表には4番酒井がソロホームランを放ち、あっという間に同点に。5回表には、小司の2ベースを足がかりに、勝ち越し点を奪った。
川崎北2対1。 「このまま終わるわけがない」。 佐相先生はベンチでずっと思っていたという。だからこそ、攻め続けた。圧巻だったのは、7回裏の投手交代だ。疲れの見え始めた田中が2アウト満塁のピンチを招くと、迷うことなく、背番号15の白井を送った。 打席には桐蔭学園の主砲・井領。この日もっともしびれた場面だったが、白井は淡々と丁寧に変化球を投げ、ファーストゴロに仕留めた。 「田中は限界。代えるならあそこしかなかった」 2回戦終了後、「田中で終盤までいって、あとは白井につなぐ」と話していたが、まさにプランとおり。最高の継投で桐蔭学園打線を封じた。
白井は相模原市立上溝中出身。夏に横浜スタジアムで行われた全日本少年では、日本一を達成。背番号4をつけていたが、実質エースの活躍を見せ、明徳義塾中や東海大翔洋中といった強豪私学に勝利した。決して、球が速いわけではないが、変化球の制球とコンビネーションが武器。そして、中学で全国大会を踏んだだけに、経験が豊富。この日も落ち着いたマウンドさばきを見せていた。
来週末の相手は立花学園。甲子園出場経験こそないが、近年安定して上位に入っている強豪だ。 桐蔭学園に勝ち、はしゃぎすぎていたのが心配だが…。そこは、百戦錬磨の佐相先生。しっかりと引き締めて、臨んでくるはず。快進撃はまだまだ終わらない。
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