上溝中に行ってきました。
以前から水野先生に「うちの練習は実戦中心」とお話は聞いていましたが、まさしくその通り。実戦、実戦、またまた実戦という感じで、ランナーをつけての1箇所バッティング、シートノックを繰り返し行っていました。 実戦が終わってからは、見るからに辛そうな体力トレーニングの連続。中距離走では、「顔だ、顔! 辛くなったときに、苦しそうな顔をするな!」という水野先生の声が印象的でした。
夏の全日本少年を見ていると(市大会や県大会でもそうでしたが)、上溝中の選手は苦しい場面でも、その苦しさを表情に出していませんでした。かといって、ニコニコ笑っているかというと、そうではない。つねに冷静な顔で、表情を崩さずに淡々と戦っていました。 何でそんな表情ができるのかと思っていましたが、今日の練習を見て、その理由が分かったような気がします。
いくつかの練習を見せていただいた中で、何気ないことですが、「へぇ〜」と感心させられたことがひとつ。 練習の終わりにあった素振りです。キャプテンが「移動ありな!」と声をかけた素振りでした。 どういうことかというと…、上溝中の部員は40名強。素振りでは1列4人×10列を作っていました。掛け声にあわせ、コースごとに(アウトロー、インハイなど、9コース)10スイングしたあと、1列目の選手はバットを持ったままダッシュで、最後尾(10列目)まで移動していました。 この距離が結構長い! 一塁のファウルラインから、レフトの定位置あたりまでです(どんな練習にも、ダッシュを入れているのが上溝中の特徴かもしれません)。 1列目の選手が10列目に移ったのにあわせて、2列目の選手は1列目に、3列目は2列目に、4列目は3列目に……と、1列ごと移動します。
「一体、移動する目的は何?」というと、水野先生曰く「足場をならすクセをつけるため」だそうです。 「人が振っていた足場に移動したときに、地面をならして、足場を作ること」 これ、中学生はなかなかできません。試合中も、前の打者の足場にすっぽりとはまって打ってしまう選手多し。また、学校のグラウンドでやるときは、バッターボックスがあまりいい状態ではないときもあります。そのときも、足場を固めずに、何気なく打つ体勢に入ってしまう選手もよく見られます。 そんなこともあり、練習のときからわざと場所を移動させて、「足場をならす」。 単純なことですが、勉強になりました。
練習を見に行くと、各校独自の練習方法があり、とても勉強になります。 最近、「へぇ〜」と思ったのが、バッティングマシンの早打ち。ティーの早打ちは聞いたことがありますが、マシンの早打ちは初耳でした。早打ちとは、連続で10球であれば10球、一気に投げて、打者は息つく間もなく打ち続けることです。
この練習をやっていたのが立花学園。「振り出しの力を養う」と押部監督はおっしゃっていました。 自分は全然知らなかったんですけど、二筒式のバッティングマシンがあるんですね。ひとつのマシンに、球の出る筒(?)が二箇所ついていて、1箇所からはストレート、もう1箇所からはカーブが出るマシンです。 早打ちで、このマシンを使うと効果倍増だそうです。早打ちの場合、バッターはすぐにトップの体勢を作らないと、10球も連続で打てません。ただ、「ストレートだけ」と分かっていると、タイミングを合わせるのは簡単。これが、「ストレート、カーブの両方」となると、タイミングの取り方も実戦的になってきます。
二筒式マシンがあれば、1台のマシンを使って、ストレート、カーブを投げ分けることができる、ということです。 この練習を見ながら思いましたが、ストレートとカーブを同時に発射させても面白いですよね。ストレートのタイミングで待って、カーブを打つ練習とかできそうな気がします。
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