みのるの「野球日記」
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2004年08月30日(月) バント禁止令 〜岩手県全中初勝利を目指し〜

 26回目の大会を終えた全中。47都道府県の中で唯一、白星をあげていない県がある。今大会が始まる前までは富山県と岩手県が未勝利県だったが、富山の桜井中が準優勝となり、未勝利県から脱出。ということで、岩手県だけが未勝利県として取り残されてしまった。
 岩手県は過去、6中学が全中の舞台を踏んでいるが、いずれも初戦敗退。しかも、平成5年に遠野中が出場して以来、全中出場はなし。ここ十年、東北大会を勝ち抜けずにる。

 今年の全中で、岩手県K−Ball少年野球連盟の下川恵司理事長と、住田町立有住中の千葉賢一先生とお会いした。全国のレベルを感じようと、岩手から視察に訪れたという。下川さんは現在教育委員会に勤めているが、以前は東北中体連野球部のブロック長を務めていた。

 岩手県は約4年ほど前からK−Ballで中学野球の強化を進めている。下川さんはK−Ballに力を注ぐ理由をこう話す。
「脱学校。少子化のために1学年1〜2クラスの学校がほとんど。部員が足りなくて思うように試合ができない学校も多い。K−Ballなら地域選抜を結成でき、部員不足も解消され、試合をやることができる」
 たとえば、オール気仙という選抜チームがあるが、これは2市1町の選抜チーム。理想としてはもっと細かく、地域選抜を作りたいそうだ。

 お話を聞いた日は、ちょうど甲子園の決勝戦が行なわれており、北海道の駒大苫小牧が全国制覇。岩手はというと…、盛岡大付が出場するも、初戦で明徳義塾に完敗した。
「中学で差があるから、高校で差が出るのは当たり前。やっぱり、中学から強化しないといけない。でも、ちょこちょこいい選手も出ているんですよ」
 聞けば、東北高校の一塁手伊藤篤は大船渡市立赤崎中の野球部出身。ヤクルトに在籍している志田宗大も岩手市内の中学野球部出身だそうだ。でも、ふたりとも宮城の高校に誘われ、県外に出た。

 強化という意味で、下川さんは昨年からK−Ballの試合で面白いルールを作っている。
「バントしたら、ストライク。バントの構えをしてもストライク。だから、K−Ballの試合ではバント禁止です。とにかく打つ意識を持って欲しい。中体連の試合は待つ野球で、とにかく試合が長い。あと、バントのうまいチームがだいたい勝つんです」
 バントを転がして、内野手のミスを誘う。ボールを待って、ピッチャーの自滅を待つ。また、審判のストライクゾーンも狭いという。打つよりも、四球を待った方が得策というわけだ。でも、やっぱりそれでは高校で通用しない。
「K−Ballのときは硬式バットを振りますから、スイングする力もついてくる。大分、効果は出ていると思いますよ。以前は外野手が内野手のすぐ後ろを守っていたのが、硬式の定位置くらいになってきた。外野オーバーが出るようになったんです」
 昨年の冬にはバッティング指導に定評のある東林中の佐相眞澄先生を講師に招き、指導者や選手を集めバッティング講習会を開いた。

 「待つ野球」から「打つ野球」へ、岩手の中学野球は全国1勝を目指し改革を始めている。そのため下川さんは、新たなルール作りも考えている。
「真ん中のストライクを見逃したら、いきなり2ストライクとか。2ストライクで三振とか。とにかくバットを振るようにさせたい」
 誰が真ん中と決めるかはさておき…、ファーストストライクから積極的に振っていく野球を身に付けさせることが目的だ。

 唯一全中白星のない岩手県。K−Ballでの取り組みがどう中体連に生かされていくか、今後に注目してみたい。
 


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