2004年06月13日(日) |
大学選手権(4) 〜東海大・筑川利希也〜 2年ぶりの神宮 |
■6月13日 2回戦 第1試合 東海大 100201002|6 札幌大 000200000|2
筑川利希也(4年・東海大相模)は今春の首都大学リーグ最終節(対城西大戦)に登板し、2年春以来遠ざかっていた実戦マウンドを踏んだ。リーグ戦後、社会人チームとのオープン戦でも登板。ともに無失点に抑え、復活をアピールした。
今日の札幌大戦。東海大4点リードで迎えた9回裏、筑川は2001年6月18日以来、約2年ぶりに神宮のマウンドへ上がった。先頭打者に二塁打を打たれ、ピンチを迎えたが、後続を抑え、無失点で切り抜けた。ただ、ストレートは右打者の外角へ引っかかり、スライダーはキレがなく、あっさりと打者に見送られる。全盛期には程遠いピッチングだった。
試合後、ベンチ裏に出てきた筑川は終始苦笑いを浮かべていた。 「反省しようがないくらい、最悪のデキ。恥ずかしいピッチングでした。自分のことで精一杯でバッターを見れて投げられていなかったです」
筑川は2年春に右ヒジに痛みを感じ、その年の8月30日に手術。手首の靭帯を右ヒジに移植する大手術だった。
記者から「全盛期を100とすると、今はどれくらいの状態?」と訊かれると、「30〜40くらいですね」と筑川。まだまだ、完全復活は遠い。それでも実戦で投げられたことは、大きな第一歩。ストレートは手術後、最速となる142キロを記録した。 「(復活は)気持ち次第でどうにかなるって周りから言われていたんですけど、本当その通りでした。城西大戦で監督から、『行け!』って言われて、思い切って投げてみたら、投げることができた。自分ではいつ投げようか、迷っていたところがあって…」 手術後、初めて実戦で投げることの怖さや不安…、足踏みしていた筑川の背中を伊藤監督が押してくれた。
今年の正月、筑川は東海大相模の同期が集まった新年会で、「プロに行く!」と宣言した。 「ふざけながらでも、みんなの前で宣言して、自分にプレッシャーを与えないと、自分はやらないタイプなんです」 春の三保キャンプでは、吐きそうになるほど走りこみを行い、体幹を鍛えるために毎日腹筋1000回をこなしている。 「やると決めたら、とことんやる性格」と自らを分析する筑川。子供の頃から夢見ていたプロ野球の世界へ。「まずは大学での結果が一番欲しい」と話す。ドラフトまで残された期間は残りわずか。筑川の一日も早い完全復活を期待したい。
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