2004年06月04日(金) |
宝立中23年ぶりに全能登地区大会制す |
5月30日から6月2日まで行われた全能登(石川県)地区中学校野球大会で珠洲市立宝立中が23年ぶりの優勝を飾った。 *詳細は「野球小僧ハロー君」HPへ http://www.nsknet.or.jp/~hellobc/index.htm
宝立中は全校生徒67人の小さな小さな学校。平成元年度には191人いた生徒数も少子化の流れとともに、減っていった。学校HPによれば、平成16年度の男子生徒数はわずか30人。学校の運動部は軟式野球部と軟式テニス部だけである。
野球部を今年3月31日まで率いていたのが、山岸昭彦先生(現珠洲市立緑丘中野球部顧問)。毎年3月下旬に行われる金沢交歓会の事務局長を務めている。ちなみに山岸先生も宝立中のOB。 今年、3月27日から29日まで開催された金沢交歓会では、もちろん宝立中を率いて参加した。すでに緑丘中への異動は決まっていたが、いつもと代わらぬスタイルで選手に檄を飛ばしていた。 部員は新2年と新3年を合わせてわずか12人(今は新入部員が入ったので増えていると思う)。3年前に赴任した頃は9人のときもあった。試合中は山岸先生自らスコアブックを書き、ボール回しが終わったボールを拾う役を務めた。何せ、守りのとき、ベンチにいるのは先生だけだ。 「サインも出して、スコアも書いて、大変だったなぁ」 と、以前お話を伺ったとき、懐かしそうに振り返っていた。 そんな先生の姿を見て、「先生大変だから、私たちがやりますよ」と保護者の方がスコア書きをするようになったそうだ。
山岸先生が赴任し、チームは着実に強くなっていった。昨夏は石川県大会ベスト8に進出。チームの目標である「『全員野球で日本一』に挑戦する!」が現実のものとして見えてきた。
金沢交歓会で見た宝立中は、中学生らしからぬ落ち着きがあった。先生の言葉を借りれば、「経験値が高い」。部員数が少ないために、どの試合も出ずっぱり。試合経験だけは、周りのどのチームよりも豊富。全ての選手が試合慣れしていて、野球を楽しんでやっているように感じた。
宝立中は明日5日から石川県中学校選抜野球大会(兼第21回全日本少年軟式野球大会県予選)に臨む。初戦となる準々決勝の相手は名門・星稜中。昨夏の石川大会の準々決勝で敗れた相手である。 石川県を制すれば、次は7月に行われる北信越。北信越の頂点に立てば、横浜スタジアムの切符を掴むことができる。
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